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大瀧篤 15年11月29日放送

151129-05
zitsubutsu
テオ・ヤンセン 「心の境界線」

 「エンジアリングとアートとを隔てる境界線は、われわれの心の中にしか存在しない。」

オランダの芸術家、テオ・ヤンセンの言葉だ。
彼のつくる作品「ストランド ビースト」は、
風のみを動力源に生物のように動きまわる。
身体はポリ塩化ビニルのパイプで構成され、
コンピューターや電気、モーターといったものは一切つかっていない。
海辺の水を察知すれば、濡れないように方向転換をする。
突風が吹くと、飛ばされないように自分の身体を抑え込む杭を浜辺に打ち込む。
それらの姿は、アーティスティックであり、
新種の生命体のようにも見える。

 「タンパク質からなる生物ではなく、ポリ塩化ビニルからなる生物形態なのです。」

ヤンセンの展示会を開いたキュレーター、トレヴァー・スミスはそう言う。
ヤンセンはあらゆるものに枠を規定していない。
だから、イノベーションを起こせるのだ。

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大瀧篤 15年11月29日放送

151129-06
Marcin Wichary
アラン・ケイ 「未来を予測する方法」

 「未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ」

パーソナルコンピュータの父と呼ばれる、
計算機科学者アラン・ケイの有名な言葉だ。
彼はイノベーディブなアイデアを数多く打ち出した。
たとえば片手で持てるくらい小さくて直観的に操作ができ、
子供もスケッチブックのように自由に扱えるコンピューター。
1972年にその構想は発表され、iPadの元になっているとも言われる。
「天才の前を歩いていた天才」とも見える彼だが、こんな言葉も残している。

 「少なくとも90パーセントの時間を失敗に費やしていなかったとしたら、
  あなたは高みを目指していないことになる。」

おびただしい失敗の積み重ねの上に、一握りの成功があるのだ。

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大瀧篤 15年11月29日放送

151129-07

カール・グスタフ・ユング 「創造の病」

「集合的無意識があるからこそ、
 人は自分自身とも他者とも対話・理解し合えるのだ」

分析心理学を創始したカール・グルタス・ユングは言った。
この「集合的無意識」の概念は、世界中の研究者に大きな影響を与えた。

20代の頃から、ユングは多くの患者の精神病と向き合い、研究を続けていた。
ところが、彼自身が、師であるフロイトとの決別の後に心を病んでしまう。
ユングは、統合失調症に長く苦しみ、幻覚を見る経験をする。
しかし、自身の危機から脱するために研究を続けたことが、
分析心理学を体系づくることにつながった。

創造的な思想や真理を発見した人の多くは、
神経症的状態を経験している。
精神医学者エレンベルガーは、こう呼んでいる。

「創造の病」と。

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大瀧篤 15年11月29日放送

151129-08
ReneSpitz
スタンリー・キューブリック 「暗黒の光」

 「暗黒がいかに広大であろうと、われわれはそこに光を投げかけるべきだろう。」

映画界の鬼才、スタンリー・キューブリックの言葉だ。

未知の地に挑戦すべきというメッセージは、
彼自身が、映画制作で最も大切にしていることだ。
言語中心の映画が殆どだった時代に、キューブリックは
「2001年宇宙の旅」で、台詞があるシーンを40分たらずにした。
「時計じかけのオレンジ」では
ノイズリダクションシステムをはじめて使用し、ステレオ録音を試みた。
彼が行った新たな取り組み、撮影手法の開発には枚挙にいとまがない。
キューブリックは、こうも言った。

 「世の中に、馬鹿げた考えなどというものはない。」

この言葉に近しいことを、アインシュタインも言っている。

 「一見して馬鹿げていないアイデアは、見込みがない。」

と。

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