佐倉康彦 2010年4月18日



保健室、という家

                           
ストーリー さくらやすひこ
出演 高田聖子

3限目がはじまって、少し経つ。
体育館からは、
ドリブル音とバスケットシューズが
床に擦れ合う音が散発的に
漏れ聞こえてくる。
普通なら青臭くさい嬌声なども混じり、
溌溂とした活気のある音のはずが
まったく覇気が感じられないない。
弛緩し切った無気力な雑音にしか
聞こえてこないのは、
進学組と呼ばれるA組のヤツらの
授業だからだ。

いつものように私は、
眉の手入れをはじめる。
ムダに早い始業時間のせいで、
朝はそんなケアをする余裕などないし、
かといって通勤電車の中で
化粧をするほどのコンジョーもない。
午前中、この部屋に客が比較的、
少ない時間帯が狙い目だ。
洗い立ての白衣を着た年増のコスプレ女が
思わせぶりに脚を組んで鏡をのぞき込んでる、
ように見えなくもないか…

今のこんな姿を、
いつも何かに忙殺されている
教頭にでも見つかったら、
あのオッサンの仕事を、
また増やすことになるし、
ツマらん妄想のネタになるので、
カーテンは閉めたままだ。
その向こう側は、
今の私には強すぎる春の光が溢れてる。
ホント、眩しすぎるぜ青春。
ベッド廻りの間仕切りカーテンは
逆に引き開けられている。
ベッドは、もちろんもぬけのから。
朝礼の時にぶっ倒れた進学組のコゾーが
さっきまでマグロになっていたが、
とっとと早退していただいた。
コゾー特有の甘ったるい匂いが
シーツに残らないよう
掛け布団は剥いだままにして整えてある。

いかにも無難で退屈なおばはんバッグから
コスメポーチを取り出す。
ババくさいバックには不釣り合いなほど、
妖しくド派手なポーチは、
中国系アメリカ二世の女が
立ち上げたブランドのものだ。
この女のことが私は好きだ。
ブランドが好きというより
この女の顔が好きだ。
とくに目がいい。
上手く言えないが、
何か怨嗟を感じるというか、
硬くて冷たい意志を感じるからだ。
そんな女のつくった
アイブロウライナーを取り出し、
右側の眉にさっそく取りかかる。
我ながらうまくいったな思いながら
左の眉に取りかかろうとしたとき、
身体検査のお知らせポスターが貼られた
ドアが音もなく引き開けられる。

また、あのコだ。
私は、鏡の前で脚を組みブロウライナーを持ち
左眼をつぶり口を開けたままの状態で固まる。
まるで笑えないトーキョー者のコントだ。
そんな私を見て、
彼女は左側の口角だけを引きつるように
持ち上げ声もなく嘲笑っている。
春から、このガッコーに入った新一年生ってやつだ。
入学式から2週間、
毎日この時間になるとやって来る。
入学式の当日ですら、
式を途中で抜け出して保健室を探し回った強者だ。

「へたくそ…」
挑むように言葉を選び、
私のそばに、
ささくれだったひと言を投げ捨て遺棄する。
目は笑っていない。
この化粧品つくった女の目と同じだ。
半分だけ描かれた眉のまま私は脚を組み直す。
どんなに大人を気張ったところで、
片眉の私に勝ち目などあるわけがない。
「ベッド、空いてるよ」
彼女の方を見ずに鏡をのぞき込み
左の眉に取りかかる振りをする。
                    
彼女は黙ったままベッドへ向かい               
私を拒絶するように間仕切りのカーテンを強く引く。             
安物のベッドのスプリングが軋む音がする。
間仕切りの向こうの様子を片眉のままじっと窺う。
そんな私を見透かしたように
カーテンの向こうの彼女が喋り出す。
「おかあちゃんのせいで、
毎日、寝不足や、
なんでアンタのお弁当まで私がつくるん?
お昼なったら起こしてな!
きょうのおかずは、
ちなみに卵焼きとタコさんウインナーです」 
一気に喋り終えると、
もう、寝息らしきものが聞こえてきた。
カーテンをそっと開けると
カラダを丸めるように背を向けて眠っている。
                    
鏡の前の片眉の私の目は、
眠る彼女の目にそっくりだ。
でも化粧は、圧倒的に彼女の方が上手い。
このコスメポーチも娘から誕生日に貰ったものだ。

3限目の終わりを告げるチャイムが鳴った。
あと1限でお弁当だ。

出演者情報:高田聖子 Village所属 http://www.village-artist.jp/

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小野田隆雄 2010年4月11日

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踊子草(おどりこそう)

ストーリー 小野田隆雄
出演  久世星佳

木下淑子(よしこ)は天城湯ヶ島町の

ちいさな旅館に下宿している。

狩野川(かのがわ)に面した二階の、

八畳ほどの部屋で、彼女はそこから

門野原(かどのはら)にある小学校に通っている。

先生になって、この春でちょうど

三年目を迎えた。

いまは四月の中頃で、

伊豆は若葉でうずまるようだ。


淑子の部屋の窓の下から、

絶え間なく狩野川のせせらぎが、

ビバルディの春みたいに聞え、

晴れた日には、空気がぜんぶ、

さわやかな香りに包まれているみたいに

思えるほどである。
ところで、木下淑子は、いつかは

小説家になりたいと思っている。

黙ってひっそりと書き続けている。

ある文芸誌の新人賞で、

最終選考まで残ったこともある。

けれど、そのことは

ほんとうに、少しの友人しか知らない。

世田谷生れの彼女が、

静岡県の小学校の先生になったとき、

実は、だれも驚かなかった。

明るくて、子供が好きで、

どこかいつまでも高校生みたいな、

淑子がそういう女性だったからである。

彼女は、川端康成が好きだった。

「雪国」と「伊豆の踊子」。

だから、湯ヶ島で小学校の先生に

なれたとき、あまりうれしくて

そっと、自分のほおに

触れてみたほどだった。
淑子は、この小学校に赴任してきた年、

三年生のクラスの担任になった。

そしてこの春、そのクラスが

六年生になる。三十五人の生徒みんなと

仲良く、ここまでやってきた。

「弱いものいじめは止そうね。誰でも、
 
 自分が弱いものになることだって、
 
 あるんだよ」

いままで、いつも、一生けん命、

そう言いながら、先生をやってきた。

初めて学校に来た日、

近所の小川で、彼女は初めて

メダカを見た。きれいな水の中を、

メダカがいっぱい泳いでいた。

「メダカの学校は 川の中、
 
 誰が生徒か先生か、誰が生徒か先生か」

そうか、と、あのとき彼女は思った。

先生と生徒じゃなくて、人間同士で

やってみようと。

天城峠でバスを降りて、

五キロほどの山道を、八丁池まで歩く。

この頃、晴れた日曜日の、

淑子の習慣になっている。

彼女は、小説のことを考えている。

SKDで踊って、恋をして、くたびれて、

いまは、ひっそり生きている、

ひとりの女性の話である。

淑子が「伊豆の踊子」を初めて読んだのは

中学三年の頃だったけれど、

恋のときめきよりも、なぜか、

女性であることの透明な悲しみの色が

心に広がるのを感じた。

それから、いつのまにか、淑子の胸に

ひとりの踊子が生き続けている。

その彼女へのレクイエムを書きたいと、

思うようになっていた。

「書けるの、淑子?まだ、恋もしてないよ。
 
 それとも、書くのを止めて
 
 ずっと、先生のままでいる?」

八丁池への道を、ゆっくり歩きながら、

今日も淑子はひとりつぶやく。
道端のヤマザクラの根本に、

白いかわいい花が、

淑子を迎えるように咲いて

ゆっくり風にゆれている。

けれど、淑子は気づかないで通り過ぎる。

咲く花の形が踊る少女に似ている春の花、

踊子草の花だった。

*出演者情報久世星佳 03-5423-5904 シスカンパニー 所属

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動画制作:庄司輝秋・浜野隆幸


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一倉宏 2010年4月4日



どうぶつたちの学校

ストーリー 一倉宏
出演 西尾まり 

メダカの学校を そっとのぞいてみると
みんなで おゆうぎしている
だれが生徒で だれが先生か よくわからないけど
みんなで おゆうぎしている

ドジョウの学校は どろ遊びをしている
ドジョウのこどもは どろまみれになっても叱られない
ドジョウの校長先生は ヒゲが自慢で
酔っぱらうとかならず どじょうすくいを踊る

プレーリードッグの学校は 礼儀正しい
「起立」「礼」「起立」
全員 起立したまま授業を受ける
宿題を忘れた生徒は もちろん廊下に立たされる

アライグマの学校では みんな手をあらう
鉄棒をしてもあらい ドッチボールをしてもあらう
アライグマの学校では 学級閉鎖がほとんどない
おまけに 給食のパンまであらう

ビーバーの学校は ダムづくりの学校だ
もてるビーバーの条件は ただひとつ
シッポさばきが巧みで ダムづくりがうまいこと
ビーバーの住民投票は 「建設賛成」が絶対多数だ

オオカミの学校は …ない
オオカミは 集団行動が苦手だから
そのかわり 通信教育が発達している
オオカミの赤ペン先生は 容赦なく赤点をつける

クジラの学校は でかい
クジラの学校のプールは 琵琶湖ほどもある
教室は 東京ドームの約300倍
クジラの学校の遠足は 地球を半周する

ウナギの学校は 長いあいだ 見つからなかった
でも最近 マリアナ海域で発見されたらしい
ウナギの学校は その海の底に寄宿舎があるのだろう
みんな細長い ウナギのベッドで眠る

スズメの学校は かなり大きなマンモス校
給食の準備もたいへん 人気メニューはやっぱり ごはん

カナリヤの学校は 音楽ばかり
放課後の部活だって コーラス部

コウモリの学校は もちろん夜間学校
先生は 黒板の文字を逆さに書く

ナマケモノの学校は 週に1日だけ
それでも欠席者が多い 休講も多い 夏休みも長い

カブトムシの学校は 腕白ぞろいの 力くらべ
セミの学校は土の中 卒業式には大合唱

ネコの学校は 昼寝45分 授業15分 また昼寝
イヌの学校は まいにち体育 教室はいらない

さて 人間たちの学校はどうだろう
人間の こどもたちの学校は ちゃんと のびのび 
たのしいですか?


shoji.jpg  
動画制作:庄司輝秋・浜野隆幸


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中山佐知子 2010年3月25日



花束は身代わりだ

               
ストーリー 中山佐知子
出演 大川泰樹  

                  
花束は身代わりだ。
花束は自分の身代わりだ、と思ったのは
あの人がいなくなってからだった。

本当は自分が行くべきなのだ。
死んだ妻をたずねて死者の国へ降りたオルフェウスのように。
オルフェウスは妻を死者の国から連れ出そうとして連れ出すことができず
じわじわと心が死んでいき、それから躯が死んだ。

躯が死んで死者の国へ入ると
逢いたい人をもう一度見ることができるのだろうか。
その答えさえ明瞭にあれば
花束ではなく自分を捧げる幸福な人もいるだろうに
神話も信仰も滅びた世界では
誰もその問いに答えるものはない。
だから僕たちは花束を自分の身代わりにして
死者の墓標で祈るのだ。

けれども、花束は裏切りだ。
花束は死者への裏切りだ、と思ったのは
あの人がいなくなってからだった。

たとえ1000の花を束にしても
根を切られ、命を絶たれたた花々が
地の底に眠る人の行方をさがし当てるすべはなく
空に昇った人に会う道を見つけることもない。
だから僕たちは安心して花束を死者への贈りものにする。

けれども
いつか僕は暗くて長い道をひとりで歩くことになるだろう。
その道はどこまで歩けば終わるのかもわからず
どこまで連れていかれるのかも定かではない。
引き返す方法もない。
そんな道をひとりで歩く日がやってくる。

そのとき
暗くて長い道を歩いている僕に誰かが花束を贈るだろう。
あの人が死んだとき僕がそうしたように
僕がいなくなったことを喜ぶ誰かが
たくさんの花束を僕の墓標に置くだろう。

出演者情報:大川泰樹 http://yasuki.seesaa.net/  03-3478-3780 MMP

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小野田隆雄 2010年3月18日


Photo by (c)Tomo.Yun


お千代さんの思い出
            

ストーリー 小野田隆雄
出演  久世星佳

お千代さんというママが銀座にいました。

バブルがふくらみ始めた、

一九八〇年代半ばのお話です。

「私は十九歳の時、このお仕事を

 始めました。最初のお店は

 五丁目の裏通りにある

 ホームズというカウンターバーでした。

 このお店は、いまもございます。

 近頃では、とても高級なお店に

 なりましたけれど。
 
亡くなる前の太宰(だざい)さんが

 よくお見えになりました。
 
いつもウイスキーを

 ストレートグラスでお飲みでした」
太宰さんとは、太宰(だざい)治(おさむ)のことです。


ところで、あのバブルの頃には、

お千代さんは、ほんとうはもう、

五十代に入っていたと思います。

いつも和服姿でした。

面長(おもなが)の、竹久夢二の描く女性のように、

美しい横顔をしていました。
お店の名前は「まあま」。

並木通りの八丁目にありました。

「まあま」とは中国語で、

お母さんという意味です。
私が「まあま」を知ったのは三十歳の頃。

テレビドラマの脚本を書いていましたが

まだまだ駆け出しでした。

あるテレビ局のディレクターの男性に

食事に誘われ、その帰り道に

「まあま」に寄ったのでした。
正直にお話ししすると、当時の私は

そのディレクターとの、

恋というよりも、ただの不倫な関係を

終りにしようと考えていたのですが、

初めて会ったのにお千代さんは、

すぐに私の悩みを

感じとってくれたのです。

彼女のまなざしが、

「だいじょうぶよ。ご自分を大切にね」

そう、ささやいてくれたと、

思えたのです。


それから私は、「まあま」にひとりで

訪れるようになりました。

そして、気づきました。

いつもカウンターのいちばん奥に、

赤いスイートピーが、十四、五本、

細いガラスの花びんに

活(い)けられていることに。

それは、ある風の冷たい

冬の夕暮れのことでした。

開店したばかりのお店に

お客は私ひとりでした。

そのとき、ドアを静かにおして

上品な黒いスーツを着た、

若き日の石坂浩次のような青年が

赤いスイートピーの花束をもって

入ってきたのです。

彼はニッコリしながら、

花束をお千代さんに渡す。

お千代さんは、その花束を、

ガラスの花びんのスイートピーと

ていねいに入れ替える。

そして、つぶやくように、
青年にたずねる。

「お父さまは、お元気?」

青年がやさしい声で、答える。

「いま、カナダです。来月にもどります」

ハイボールを二杯飲むと、

彼が立ち上がる。

お千代さんが、ドアの外まで送っていく。

「雪になるかしらねぇ」

ドアの外から彼女の声が聞こえてきました。


結局、青年が何者かを知らないままで、

私は、大阪のテレビ局の仕事が
中心になって、
東京を離れました。

五、六年が過ぎて、バブルもはじけた頃、

まだ肌寒い早春に、私は東京に戻りました。

そして、白とピンクの花だけで作った
スイートピーの花束をもって、

お千代さんを尋ねたのです。

二階への階段を昇り、ドアの前に立つ。

けれど、そこには、もう

「まあま」の文字はありませんでした。

*出演者情報久世星佳 03-5423-5904シスカンパニー 所属

shoji.jpg  
動画制作:庄司輝秋・浜野隆幸

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岩崎俊一 2010年3月11日



     ストーリー 岩崎俊一
        出演 清水理沙

やっぱり犬にはかなわない、とヒトミは思った。

朝、学校に行く途中で、うしろ足が一本ない犬に出会った。
道の端を、人に連れられ歩いていた。
歩くたび、からだが上下に揺れる。他の犬に比べれば、
あきらかに歩みは遅く、歩調もなめらかではない。
しかし、犬に卑屈の影は見えない。
自分ののろのろとした歩みに焦れるでもなく、気おくれするでもない。
顔に憂いもなく、目にはおびえもない。
自分ならどうだろう、とヒトミは思った。
とてもあんなふうにはふるまえない。
泣きわめき、物を投げ、親にあたるだろう。
あるいは心を折り、ふさぎこみ、死ぬことも考えるだろう。
だが、犬は悲運を嘆くことはない。
身の不幸を言い募ることも、自暴自棄に陥ることもない。
そうか、とヒトミは思う。
犬は絶望しないのだ。
犬はもともと、「人生に」望外な期待など抱かないのだ。
犬は、ただ生きている。
目の前のものを食べ、与えられた足で歩き、
眠くなれば目を閉じ、一日に二回外の空気を吸い、
うれしければ尾をふり、解き放たれれば走る。
飼ってくれる人を選ばず、
飼ってくれている人が嫌いになって逃げ出すこともない。
あるがままの運命を受け入れ、ただ淡々と生きている。
犬は先生だ、とヒトミは思った。

ヒトミはもともと、じっとしていることが平気な、犬という生きものに
敬意を抱いていた。
近所にずっと、庭につながれている柴犬がいる。
通学の行き帰りに顔をあわせれば、「やあ」と声をかける。
犬は寝そべったまま、ピクリと耳を動かし、一瞥をくれる。
朝も、夕方戻ってきた時も、同じ場所、同じ恰好で寝そべっている。
ずっと何時間もそのままなのだろうか。もし私がそうなら、気が狂ってしまう。
なぜ犬は平気なんだろう、といつも考えてしまう。
一度だけ散歩途中の「動く彼」に会って、なんだかほっとしたことを覚えている。

ヒトミは、一年前、犬に死なれた。
自分より少しあとに生まれたサクラというメスの柴は、15歳で亡くなった。
最後の一年は病気勝ちで、もう長くはないと医者に言われた時、
ヒトミは涙がとまらなかった。なんて短い一生だろうと思った。
私と同じ時に生まれ、私が大人になる前に死ぬ。
これっぽっちの時間しか生きられないなんておかしいよ。
そう言って、ヒトミは泣きじゃくった。
その時、父が言った言葉が忘れられない。
「ヒトミ、人間のいのちが長過ぎるんだよ。」
犬のいのちは、人間の目から見れば短いだろうが、
なあに、犬はそのことに不満は感じていない。
これくらいでちょうどいいと思ってるよ、きっと。
バイバイ。さよなら。お先です。かわいそうなのは、あなたたちだよ。
つらい思いばかりして、
私たちの何倍もの長い人生を送らなければならない人間たちだよ。
父の話を聞いて、そう言えば人間も大変だ、と
ヒトミはちょっと泣き笑いになった。

静かに散歩する三本足の犬に出会った日、
ヒトミは学校の帰りに花屋に寄った。
サクラが死んで初めて、居間のサクラの肖像画の前に飾る花を買った。

出演者情報:清水理沙

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動画制作:庄司輝秋・浜野隆幸


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