2012 年 4 月 15 日 のアーカイブ

三島邦彦 12年4月15日放送



いつまでも素敵な女性/小篠綾子

ヒロコ、ジュンコ、ミチコ。
世界的ファッションデザイナー、
コシノ三姉妹の母、小篠綾子さん。

自らもデザイナーとして
大阪の岸和田市で
洋服屋を生涯営んだ。

これは綾子さん88歳の時の言葉。

今や私も良きライバルとして、
また良き友として、娘たちの仲間入りをして、
四姉妹のつもりで歩いていこうと思っています。

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三國菜恵 12年4月15日放送


imajou
いつまでも素敵な女性/宇野千代

今年も、山口県の岩国市に桜が咲いた。
作家・宇野千代の生家にある2本の桜。

生前、

私は幸福を撒き散らす、花咲かばあさんになりたい

と言った、宇野千代。

たしかに彼女は、
いつも春のなかを生きているような人だった。

次から次へと、恋をする。
新しい興味が、次々に湧く。
作家。編集者。着物デザイナー。
その肩書の多さは、好奇心の証し。

彼女の人生訓を、ひとことで言うと、こうなるのだという。

人生は、行動である

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三島邦彦  12年4月15日放送



いつまでも素敵な女性/ 幸田文

明治の文豪、幸田露伴はある日、
子どもたちにそれぞれ木を与え
庭で育てるよう命じた。

次女の幸田文はその庭で、
草木に強く心をよせた。

時が流れ、孫も生まれた文は、
北海道のえぞ松から
屋久島の縄文杉まで、
珍しい木が見られるとあれば
人に背負われてでも森へ山へと
分け入るようになっていた。

松やイチョウ、ヒノキにポプラ。
木の皮が織りなす模様を
美しい着物のように愛でる彼女。

今そこに生きる命として、
木の立ち姿を味わった。

これは、そんな幸田文の言葉。

いのちの詩をうたって山野にいる姿と、
いのち終えてなお美しく力ある材となった姿と、
どちらをもともにいとおしむ心情を、
若い人にもってもらいたい、と切におもう。

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三國菜恵 12年4月15日放送



いつまでも素敵な女性/ココ・シャネル

世界のファッションブランド
「シャネル」の創始者、ココ・シャネル。
彼女はデザイナーとして人生で二度、開花した。

その二度目は71歳、
誰もが引退を考える年齢になって
彼女はシャネルスーツという新しいスタイルを
世界に発表したのだ。

シンプルで動きやすい上着と膝丈のスカート
それは当時のミニスカートブームに挑戦するかのような
保守的なデザインにも見えた。

けれども、シャネルはこう考えていた。
誰もが15歳ではない、
40を過ぎてから似合うエレガンスもあるのだ、と。

その考えに賛同するかのように、
シャネルスーツは世界の女性のあこがれになり
ココ・シャネルはモード・オスカー賞を受賞した。

いくつになってもチャレンジする人は素敵だ。

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中村直史 12年4月15日放送


Berliner Büchertisch
いつまでも素敵な女性/ハイデマリー・シュベルマー

そして、その女性は、一文無しになってしまった。
理由は、借金をつづけたからでも、事業に失敗したからでもない。
ただ、お金を持っていたくなかったから。

ドイツに住むハイデマリー・シュベルマー。
お金にふりまわされるこの世界はどうもおかしい、と、
ある日、持っているお金をすべて手放した。
家も手放し、年金も放棄。
市場で捨てられた野菜をわけてもらい、
スーパーの掃除をした見返りに果物をもらい、
友人宅を泊まり歩く。

 すべてがなくなったら、一気に開放された気持ちで、
飛びあがりたいほどうれしかった!

そうにこやかに語るハイデマリー。
世の中の人は言う。あなたのようには生きられない、と。
・・・でもぜひ話を聞かせてほしい!いつでも泊まりにきて!
そうやって、つぎからつぎへと、彼女の生活を支える人はふえていく。

一文無しになって14年。
お金にしばられた世界のおかしさを訴えつづけるハイデマリーの生き方は、
実は、世界がやさしい気持ちに満ちていることも、示している。

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三國菜恵 12年4月15日放送


Nathan Duckworth
いつまでも素敵な女性/原ひさ子

ほのぼのとした笑顔が印象的だった
女優・原ひさ子。
彼女には、実は、あるかたくなな一面があった。

8月6日。
広島の原爆投下と同じ日に生まれた彼女は、
自分の誕生日を決して祝わなかった。

すいとんで 反省の夜や 敗戦日

その生き方は、彼女からのメッセージ。

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三島邦彦 12年4月15日放送



いつまでも素敵な女性/ターシャ・テューダ

アメリカの絵本作家、ターシャ・テューダは、
57歳から92歳で亡くなるまでの35年間を
バーモント州の田舎町で自給自足の一人暮らしをしていた。

小さな町がすっぽり入りそうな広大な庭と
家具職人の息子が作った小さな家。

天気がいい日は裸足で外に駆けだして、
夢中になって庭いじり。
午後は紅茶でひとやすみ。

いくつになっても
毎日幸せそうな彼女に、
だれかが幸せの秘訣をきいてみた。

返ってきたのは、こんな答え。

 人生は短いから、不幸になってる暇なんてないのよ。

幸せな人は素敵な人。

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中村直史 12年4月15日放送


よしぼー
いつまでも素敵な女性/村山キヨ

沖縄のおばあちゃんたちは、
愛情と敬意をこめて「おばあ」と呼ばれる。

宮古島・西原地区の村山キヨさんは、そんなおばあのひとり。
そして、その地方に古くから伝わる歌、
「古謡」の伝承者として知られている。

前の世代から受け継いだ数々の歌を、残らずぜんぶ記憶している。
そのヒケツを聞かれたキヨおばあはこう答えています。

 今の若者は紙に書くから、紙が覚える。
 自分たちは紙に書かないから、頭が覚える。

おばあちゃんの言うことって、深みがあります。

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