2013 年 10 月 のアーカイブ

佐藤理人 13年10月20日放送



フェルマーの遺産「ワイルズ③ 滑落」

発表しただけでは正しいことにならない。

アンドリュー・ワイルズが発表した
「フェルマーの最終定理」の証明。

この数学史上最大の難問を証明する論文は、
6人の一流数学者たちの目で審査されることになった。

彼らは疑問が生じるたびメールで質問を送った。
ワイルズはどのメールにもすぐ返事を返したが、
ある一通にだけ返信が遅れた。

一週間たっても、一ヶ月たっても返事はなかった。

世紀の証明に、重大な誤りが見つかった。

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佐藤理人 13年10月20日放送



フェルマーの遺産「ワイルズ④ 遭難」

惜しみない賞賛は、
耐えがたい非難に変わった。

アンドリュー・ワイルズが発表した
「フェルマーの最終定理」の証明には
重大な欠陥があった。

ジーンズ会社から
広告出演依頼まで受けた男は、
いまや世界的なペテン師だった。

彼の下には完全な証明を求める声が殺到した。
メールを無視し、電話番号を変えてまで
ワイルズは修正を急いだ。
しかし1年経っても進展はなかった。

彼はかつての教え子、
リチャード・テイラーに助けを求めた。
テイラーは言った。

 あと1ヶ月。
 1ヶ月だけ頑張ってみましょう。

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佐藤理人 13年10月20日放送



フェルマーの遺産「ワイルズ⑤ 登頂成功」

350年間、世界中の数学者の前にそびえ続けた、
数学史上最大の未踏峰「フェルマーの最終定理」。

イギリスの数学者アンドリュー・ワイルズは
頂上まであと一歩のところで遭難しかけていた。
ザイルを投げたのは、またも日本人だった。

1994年9月19日、月曜の朝。
天啓がワイルズを打った。

岩澤健吉の編み出した「岩澤理論」。
この代数的整数論を使えば
証明が完成することに気づいたのだ。

 なぜ今まで気づかなかったのか不思議なほど
 単純で優雅なとても美しい瞬間でした

翌朝、彼は証明をもう一度精査すると、
妻に「できたと思う」とだけ告げた。
350年間の謎がついに雪解けを迎えた。

数学者ヤコービは言った。

 数学は人間精神の栄光のためにある

非難と恥辱に塗れた8年間。
ワイルズは努力と信念と勇気、
何より数学への愛でそのすべてを乗り越えた。

それは、まぎれもなく人間精神の勝利だった。

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佐藤理人 13年10月20日放送



フェルマーの遺産「セーガン」

 宇宙人に聞きたいことはありませんか?

アメリカの天文学者カール・セーガンは時々、
宇宙人とコンタクトできると称する人から
そんな手紙をもらうことがある。

聞けば、宇宙人はとても進歩しているらしい。
だからセーガンは決まってこう尋ねる。

 フェルマーの最終定理を証明してください

返事をもらったことはまだ一度もないそうだ。

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三島邦彦 13年10月19日放送



おいしい料理をつくるひと

滋賀県の比良山(ひらさん)。
京都と若狭をむすぶこの山に、
「比良山荘(ひらさんそう)」という料理宿がある。

名物は「月鍋」。

雪と花の間の時期に食べることから、
雪月花の真ん中の月を取って名付けられたというこの鍋には、
比良山の猟師が仕留めた新鮮な熊の肉がたっぷりと入っている。

比良山荘の主人、伊藤剛治は
熊への思いをこう語る。

 僕自身、熊の味がとてもすきで、
 死ぬときになにを食べたいかいうたら、
 やっぱり熊やと思うんです。

山の精霊である熊を、猟師が命がけで仕留め、伊藤が魂をこめて料理する。
熊も、猟師も、伊藤も、同じ山で生まれ育った仲間たち。
だからこそ、伊藤が作る月鍋には純粋な、山の恵みの滋味がある。

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三島邦彦 13年10月19日放送



おいしい料理をつくるひと

金沢の寿司の名店、小松弥助。
店主の森田一夫が軽妙に寿司を繰り出すその様は
「弥助劇場」と呼ばれ、多くの食通の心をつかんで離さない。

66歳の時、森田は一度店を閉めたことがある。
金沢を離れ、京都での隠遁生活。
余生をゆっくりと過ごすはずだった。
しかし、ふた月も経つとすぐにカラダがうずきはじめた。
森田は言う。

 魚屋の魚が私を呼んでいるように見えました。
 買うて、買うて言いよるんです。

  
寿司を握ることは己の天命。
それを知っているから、
82歳を超えた今日も、森田の「弥助劇場」の幕が開く。

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中村直史 13年10月19日放送



おいしい料理をつくるひと

史上最高のフランス料理人
ともいわれるフェルナン・ボワン。

彼の料理は世界中で称賛されたが、
彼自身、世界を驚かせようとは思っていなかった。

地元の食材をつかって、地元の人々のために、おいしい料理をつくる。
地元が、自分を育ててくれたのだから、
自分が学んだことは地元にかえしたい。それだけ。

ボワンはこんな言葉を残していている。

 若者よ、故郷に帰れ。
その町の市場へ行き、その町の人のために料理を作りなさい。

ボワンにとっての恩返しは、料理だった。
あなたが故郷にできることは何ですか?

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中村直史 13年10月19日放送



おいしい料理をつくるひと

料理人は、料理のおいしさで、腕前をアピールする。

けれど、そのシェフにとって、
料理のおいしさでアピールしたいのは
その食材を生んだ土地や人。

上柿元勝(かみかきもと まさる)。
日本のフランス料理界を牽引してきたグラン・シェフ。

彼の料理から伝わるのは、食材のすばらしさ。
その食材を生みだした土地と人間のすばらしさ。
言ってみれば、この世界のすばらしさ、である。

そんな上柿本の口癖は、

 素材に感謝、自然に感謝、生産者に感謝、
 食材業者に感謝、お客様に感謝、スタッフに感謝。

世界に感謝して、料理は生まれる。

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五島のはなし(188)

「五島」と「僕」は一心同体だな、と思うのです。
ということは、五島の応援をすることは、自分の応援をするのと同じです。
あなたが五島を好きになるのは、あなたが僕を好きになると同じです。
五島、好きになってください。いいやつなんです、五島。

そんな五島のよさを感じられる場所ができました。
あの「金印」が置いてあることで有名な福岡市博物館のすぐ近く、
百地(ももち)にある「TNC会館」の1階で、いま「五島マルシェ」がやっています。

五島、とくに下五島の物産がならんでいます。
五島フリークである僕も「へーこんな商品あるんだー」っていうのがありました。
で、なんといってもですよ、
五島のなにがいいかと聞かれれば、●きれいな海 ●おいしい魚 ●野良猫 ●へんな人 ●路地
とキリがないんですが、やっぱり「人」なんじゃないかと思うわけです。
で、この五島マルシェにいる人たちも、五島出身であるなしに関わらず、気持ちいい人たちでした。

店長さん!なんや餅を手にしてのニッコリです!いい人やった!

福江島のおみやげ店「ごと」から来てるナガヤさん。
中学と高校が僕と同じでした。

行ってみて!五島マルシェ。
あ、それからついでに、もういっそのこと、五島にも行ってみて!
いま、夕日がキレイやけん、五島行ってみて!
んで、道ゆく人に声かけてみて!たいがい、いい人やけん!

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五島のはなし(187)

五島の高浜海水浴場は、いま、夕日が旬です。
雲が少なく、太陽はよい位置に落ちていきます。
見ている人を意識しているのか、ゆっくり落ちていきます。
ひっこんだあと、アンコール!っていうと、もう一回顔を出してくれることもあるらしいです。
上は昨日の写真です。
砂の色、波の模様、光の変化、こりゃあただごとじゃないぞ、と思った次第であります。
ぜひ、行くべきです。

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