三島邦彦 14年1月26日放送


Bradley Wind
はじまりの言葉 フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー

江戸川乱歩、黒澤明、手塚治虫、
アインシュタイン、マーラー、
そして村上春樹が愛したもの。

それは、ドストエフスキーの小説。

「罪と罰」「地下室の手記」「悪霊」。
この偉大な19世紀ロシアの作家が残した小説は
今も世界中で読まれ続けている。

そんなドストエフスキーの代表作であり
世界文学における最も重要な作品のひとつ
『カラマーゾフの兄弟』には、
「著者より」という長い序文がある。

その前口上から伝わるのは、
まぎれもない名作を書きあげた著者の興奮と、
これを読者がどう理解するかについての逡巡。
自ら混乱していることを語りながら綴られた序文はこうして終わる。

序文はこれでおしまいである。こんなもの余分だという意見にわたしは大賛成だが、
書いてしまった以上は仕方がない、そのまま残しておくことにしよう。
では、さっそく本文にとりかかる。

ドストエフスキーが自ら戸惑うほどの名作が、ここから始まる。

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