マイヤ・プリセツカヤ①
2015年5月2日、ひとりのバレリーナがこの世を去った。
彼女の名は、マイヤ・プリセツカヤ。
「20世紀最高のバレリーナ」と呼ばれた、伝説のダンサーだった。
生まれ持った運動能力とカリスマ性を考えれば、
プリセツカヤがバレエの道を進むことは、必然だったといえる。
彼女は、生後8ヶ月で歩き始めた。
誰に教わるでもなく爪先立ちで歩き回るようになり、
靴に穴が開くまで踊り騒いだという。
見かねた両親に連れられて行ったバレエ学校の試験では、
彼女が披露した1回のお辞儀に審査員が魅了され、合格となった。
天性の素質が開花した彼女の勢いは止まらない。
バレエの知識も経験も持たずに入学してきた少女は
卒業試験を満点で合格。
世界5大バレエ団のひとつ・ボリショイバレエの一員となった。