2016 年 1 月 23 日 のアーカイブ

三島邦彦 16年1月23日放送

160123-01
Anna & Michal
土の話 アンリ・ジャイエ

「植物の中で、唯一ブドウだけが
 大地がもつ本当の価値を私たちに伝えてくれる。」

20世紀前半、フランスの小説家コレットはワインへの愛をこう語ったという。

コレットの言う通り、
ワインの原料になるブドウは、
それぞれの土地のあり方を繊細に反映する。
土に含まれるミネラルはもちろん、
水はけのよさ、標高、日照時間、
同じブドウ畑でも、
数十メートル離れただけで味は違ったものになる。

フランスワインの聖地ブルゴーニュ地方で
50年に渡り上質なワインを造り続けた伝説のワイン醸造家、
アンリ・ジャイエは自らの仕事をこう語る。

 私たちの仕事とは、
 自然の恵みを最高の形で引き出すことなんだ。
 素晴らしい豊かさが
 わずかばかりの土地に凝縮されているという事実を前にして、
 ブドウを育てる者はいつも、謙虚にして善良、
 かつ控えめでないといけない。

世界各地の醸造家による、
それぞれの土地のワインを通じて、
私たちは、この星の大地の豊かさを味わうことができる。

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三島邦彦 16年1月23日放送

160123-02
とみたや
土の話 光嶋祐介

乾いては塗り、乾いては塗り、
時間をかけて土を重ねる左官職人の手仕事。

完成までに時間がかかる土壁は、
建築のスピード化の中で
急速にその数を減らしている。

そんな中、
建築家の光嶋祐介さんは、
土壁の魅力をこう語る。

 部屋の空気を呼吸しながら、完成してもなお乾燥して
 新しい表情を見せてくれるのです。人間が歳を重ねると、
 しわが増えることで熟成された顔になっていくように、
 土壁もまた時間に耐えて味わいを増す立派な素材です。

よいものには時間がかかる。
シンプルで大切なことを、土の壁は教えてくれる。

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中村直史 16年1月23日放送

160123-03

土の話 四狭間かなた

「一カ所焼き」と呼ばれる焼き物がある。

提唱するのは、
栃木県佐野市の陶芸家、
四狭間かなた(しさま かなた)。

なぜ「一カ所焼き」なのか。

材料を、とくに陶芸に適したわけでもない、
自分の住む土地の一カ所だけで調達する。

土も、石も、薪も、
近所の名もなき山や川で見つける。
釜も煙突もそのへんの土でつくった。

四狭間さんは言う。

 自分の足で歩きながら、目の前にあらわれる
 さまざまな自然の素材を、
 感謝しつつ手を使って工夫し、焼いて、遊び倒すんです。

「つくる」という行為は、原始的なほど、
おもしろいのかもしれない。

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三國菜恵 16年1月23日放送

160123-04
Yuya Tamai
土のはなし 古田織部

岐阜県で有名な焼き物「織部焼」の始祖、古田織部。
彼の師匠はかの有名な千利休。
卓越した美意識で多くの戦国武将を魅了した利休は、
弟子にも凛とした言葉を浴びせた。

 人と違うことをせよ

その言葉のとおり、古田織部は師匠と同じ道を歩むことなく、
まったくちがう茶器を茶の湯に取り込んだ。
どこか武骨で、ゆがんだ、土そのものをごろりと取り出したかのような茶器。
独特の感性は、「織部好み」と称され、人々に驚きを与えた。

徳川家康は織部の茶器を見て、
畏怖の表情を浮かべながらこう言ったという。
「この茶碗を見ていると天下統一はまだ早いと言われている気がする」

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三國菜恵 16年1月23日放送

160123-05
kanazou
土のはなし 片桐仁

独特の世界観で人気を博す、
コントユニット『ラーメンズ』の片桐仁。
美術大学出身の彼は、粘土作家としての顔も持っている。
デッサン用のねり消しで、コネコネとかたちをつくっていたら、
うまいね、とほめられたのがきっかけだった。

最近では子どもといっしょに、
粘土あそびのワークショップにも取り組んでいる。
片桐は粘土の良いところをこう語る。

 絵だと、うまく描かなきゃいけないって頭が働くけど、
 粘土だとこねてるうちにテンションが上がってくるみたいで、
 子どもたちもノッてくる。
 どろんこ遊びの延長、みたいな感覚で出来ちゃうんです。

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