澁江俊一 18年4月8日放送

180408-01

さようならと日本人

「さようなら」

私たちがいつも
何気なく使っているこの言葉は
元々「さようであるならば」という意味だった。
つまり、仕方ないことを
それでも受け入れようということ。

このような表現を
別れの挨拶に使う国は、世界でも珍しい。

百人一首の中に、こんな歌がある。

 これやこの 行くも帰るも わかれては
 知るも知らぬも 逢坂の関

人の世の別れを淡々と詠んだ蝉丸のこの歌は
恋の別れをテーマにしない数少ない歌として
時を超えて人々に愛されている。

切なさを受け入れる
「さようなら」の感情は
遥か昔から、日本人の心に
根づいていたのだ。

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