石橋涼子 18年4月29日放送

180429-05

わたしのはなし ヘルマン・ヘッセと内面性

わたしとは、なんだろう。

詩人でありノーベル文学賞作家でもある
ヘルマン・ヘッセ。
苦悩の多い人生からか、
わたしとは何か、を問いかけるような
文学作品を多く残している。

ヘッセは繊細で静かな文章で、
青春の悩みや人間らしい弱さを描いたが、
それはときに、悩める読者の希望となった。

書物というタイトルの詩で、ヘッセはこう語る。

 君自身の中に、
 君が必要とするすべてはある。
 「太陽」も「星」も「月」もある。
 君の求める光は、
 君自身の内にあるのだ。

ヘッセの元には、世界中の悩める読者から
何千通もの手紙が届いた。
彼は、仕事の時間を割いて、
ひとつひとつに返事を書き続けたという。

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