石橋涼子 13年5月19日放送
かずっち
緑のはなし フォーチュンの求めた緑
19世紀イギリスは、大航海時代とともに
庭園ブームがピークを迎えていた。
プラントハンターと呼ばれる人々が
まだ見ぬ植物を求め、はるか極東へやってきた。
アジサイやツツジなど色鮮やかな花に加え
彼らが求めたのは、「緑」だ。
冬の寒さ厳しいイギリスでは
一年中緑を絶やさない常緑樹が好まれたのだ。
アオキの苗を求めて日本へ上陸したプラントハンター
ロバート・フォーチュンは、こんな感想を記した。
いや、まったく、
これらの島々は庭園の趣というより
むしろ自然の庭園そのものであった。
彼らにとって日本は
黄金の国よりもはるかに魅力的な、緑の国だった。