小野麻利江 13年11月17日放送
Père Ubu
アーティストの話 ヤン・シュヴァンクマイエル
チェコのアニメーション作家、ヤン・シュヴァンクマイエル。
彼の創作の歴史は、色々なものへの、抵抗の歴史とも言える。
社会主義、全体主義、画一的な商業中心主義。
皆が一様に、思想そしてそれを体現した芸術に
侵食されていくことを嫌い、徹底的に抵抗する。
映像の中に登場する食べ物を、不味そうに描いたり。
動く肉片など、フェティシズムを全開にしたモチーフを多用したり。
人間の運命や行動が、何ものかに「不正操作」されている。
彼みずからが抱く、そんな強迫観念を投射した作品も、数多い。
アニメーションにとどまらず、
コラージュ、オブジェ、ドローイングなど
79歳になる現在も、作品を残し続けているシュヴァンクマイエル。
自らの肩書きを書くときに、彼は「アーティストと書く」と言う。
アーティストとしての、彼のプライド。
それは、こんな発言からも伝わってくる。
世界を変えようとする気がないクリエイターは辞めたほうがいい。