2009 年 10 月 26 日 のアーカイブ

五島のはなし(55)

私のこの10年来の悩みは、
ふたりの愛する女性の間で
ひきさかれるような思いをしていることです。

ひとりは、私の結婚相手。仮に「T」と呼びましょう。
Tは魅力的な女性です。
知的好奇心を刺激し、夢を見させてくれて、経済的援助までしてくれます。
Tにはおもしろい友人たちがいて、その人たちへのあこがれが
さらにTへの愛を加速させます。

そうしてTとともに、日々の暮らしを送っているわけですが
同時に、いつも私の心の中には「G」がいます。
Gは初恋の相手であり、
やさしくておおらかで、ぎすぎすしていない。
このところ年に1、2回しか会えず、会えたとしても短い時間なので、
会えないときはついつい彼女の良いところばかりがふくらんでしまい、
それがGへの思いを募らせる原因でもあったりします。

悩ましい。
Gのことを思いながら、Tとの結婚生活を送ることは
Tに対して失礼な気がして罪悪感を覚えます。
同時に「いつか君のもとに帰るから待ってて」と約束したGを
長い間ほっぽらかしにしているのにも、罪悪感を覚えます。

Tは東京です。Gは五島です。
・・・「アホくさ」って感じですよね。
わかりますわかります。
恋の悩みはいつも、他人にとっては「知るか」っていう話です。すみません。

ああでも苦しい。
苦しすぎて、こないだ会社の上司に思い切って相談しました。

「Gのことが忘れられません。
 でもTとの関係もダメにしたくない。
 というわけで、これからはGのもとで暮らし、
 でもTとの関係もそのまま・・・特に仕送りとして
 今Tからもらってるお金をGの家に送ってもらうわけにはいかないでしょうか」

上司は言いました。
「虫が良すぎるだろ」

私は言いました。
「ですよねえ」

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