2011 年 7 月 30 日 のアーカイブ

五島のはなし(153)

この時期予約が大変なんです。
お盆に五島に帰るための。
島の人口はお盆の時期いっきに数倍になるんじゃないか。
とにかく飛行機も船もとれにくくなる。
最近気にいっている、

 東京で仕事終わってから飛行機で福岡へ→博多港へタクシーで移動→
→博多港からの深夜フェリーで福江島へ(23時30分発、9時着、計9時間半)

という帰り方をこのお盆も目論んだのだが
深夜フェリーの切符は切符発売日に猛烈に電話したにもかかわらず
つながることなく完敗。
先に飛行機チケットは購入していたため、
福岡に一泊しなければならないことになった。

・・・と書きながら
ホテルの予約をしてないことに気づいた。
今からとれるのか。
そもそも、休みがとれるのか。

会社のみなさん、僕、お盆、休みますので。
だれも読んでないと思いますけど。

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小野麻利江 11年7月30日放送



子どもの時間 チャーリー・ブラウン

チャーリー・ブラウンは、ペパーミント・パティに言った。
安心というものは、車の後部座席で眠るようなことだ、と。
彼は続ける。

きみは何も心配しなくていい。
お母さんとお母さんは前の座席にいる。
何もかも、面倒みてくれる。

無条件に、ただただ守られている。
子どもの時間には、たしかにそんな感覚が流れていた。

でもチャーリーは、
そんな時間がいつまでも続かないことも、知っている。

突然きみは大人になる。
そしてもう二度と、後部座席に乗って
眠ることはできなくなるんだ。

小さな男の子チャーリー・ブラウン、
でも立派な哲学者だ。



子どもの時間 小室直樹

子どものころの記憶の中で、
母が父の文句を言う姿を、見たことがない。

気まぐれで、かんしゃく持ちな父。
そんな父を、はいはい、と軽くいなす母のほうが
一枚上手だなあ。
ぼんやりと、そう思っていたけれど。

最近、評論家・小室直樹の本の中で、
こんな、くだりを見つけた。

 母親が子に、亭主のぐちを
 言っちゃいけない。
 それをやったら、子育ては失敗ですよ。

幼い子供を育てる母は
自然と深い知恵を身につけるのだろうか。

ありがとう。お母さん。

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茂木彩海 11年7月30日放送



子どもの時間 手塚治虫

ベレー帽に分厚い眼鏡。
漫画の神様。手塚治虫。

子どもたちのために漫画を描き続けたその人は
きれいごとだけを並べて、
子どもを子ども扱いするようなことはしなかった。

鉄腕アトムで、愛と、後戻りできない科学への不安を。
ジャングル大帝で、自然の広大さと、人間の愚かさを。
ブラックジャックで、命の大切さと、それを操る不自然さを描いた。

そんな彼が小学生たちに言った言葉。

 人生で一番大きなショックの出来事を
 忘れないで大事に持っていてください。
 きっと役に立つ。

やさしくてやわらかい時間だけでは、子どもは大きく育たない。

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石橋涼子 11年7月30日放送



子どもの時間 いわさきちひろ

世界中の子どものために
絵を描き続けた画家、いわさきちひろ。

ちひろの描く子どもたちは、
あどけなく、のびのびと動き、好奇心いっぱいで、
その指先にまで画家の愛情がたっぷりつまっている。

しかし彼女の絵には、
現実の子どもはこんなにかわいいばかりではない
という批判が常に付きまとった。

彼女は晩年、こう答えたという。

 無償の愛で子どもをかわいがる、
 そんな聖母みたいなものじゃなくて、
 私のは、もっと、体質的なものなんですよね。

ちひろは、泥まみれでも、ケンカをしても、
やっぱり子どもがかわいいと思う。
そういう体質なのだ、と。

そう言われたら、もうどんな批判もかなわない。

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薄 景子 11年7月30日放送



子どもの時間 まど・みちお

詩人まど・みちおさんの目の上にはイボがある。
そのせいで、ものが二重に見えることを
まどさんは世界の見え方に
バリエーションがふえてうれしいという。

児童文学界のノーベル賞といわれる、
国際アンデルセン賞を日本人で初受賞。
100歳にして新たな詩集も出した
まどさんは、自身のことをこう語る。

 私は人間の大人ですが、
 この途方もない宇宙の前では
 何も知らない小さな子どもです。 

その天真爛漫な言葉は、
なんにだって不思議がれる、
まど少年の好奇心から生まれている。



子どもの時間 中川李枝子

子どものころ大好きだった「ぐりとぐら」。
くいしんぼうのぐりとぐらが
巨大なカステラをつくるページは
いま思い出してもワクワクする。

おはなしを書いたのは中川李枝子さん。
保育士の経験もあり、お母さんでもあった彼女は
子どもたちがびっくりする顔が見たくて
数々の名作絵本を生みだした。

 子どもはみんな問題児。

そう中川さんは言う。
それを個性と伸ばしてあげられるのは
むかし子どもだった大人の役目。

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熊埜御堂由香 11年7月30日放送



子どもの時間 モーリス・センダック

 わたしは、たとえるなら、
 編曲者であって、革新的作曲家ではなかった。

世界的ベストセラー絵本
「かいじゅうたちのいるところ」の
作者モーリス・センダックは
そう自分を評した。

1928年、センダックが生まれた年は
世界のヒーローも生まれた。ミッキーマウスだ。
彼はミッキーマウスの大ファンになり
のちの代表作、「まよなかのだいころ」の主人公に
ミッキーという名前をつけた。

ディズニーの影響を受けた登場人物を
古典的なイラストレーションで描くセンダックのオリジナリティは
自分自身の幼児体験にあった。

 わたしが人より優れていることがあるなら、
 子ども時代のことを、よく覚えてることだね。

それは、まぎれもなくセンダックだけのもの、
彼だけの才能だった。
センダックの絵本には
悪戯な子供や生意気な子供、大人が手を焼く子供が
が生き生きと描かれている。

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