礒部建多 15年5月31日放送

150531-04

リアリズムと写真

明日6月1日は、写真の日。

「写真は絵画の代替物である。」
第二次世界大戦以前の日本では、写真に対する評価は低く、
浮世絵の模造品のごとく、
シンプルな風景を撮影したものがほとんどだった。
土門拳は、そんな日本写真の呪縛を打ち破りたかった。

対象物を性格に描写するようなリアリズム。
真実を追求し、現在を撮る。
写真は肉眼を遥かに越えることを、土門は証明していった。

 実物がそこにあっても、実物を何度見ていても、
 実物以上に実物に見える。そんな写真が、本物である。

土門の鋭い眼差しは、
被写体を見つめているのではない。
被写体を暴いているのだ。

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