高田麦 12年12月9日放送



偶然を集める人 赤瀬川原平

世の中には、
意味のないものを愛でる人がいる。

ただ昇って降りるだけの意味不明な階段、
何を仕切っているのか推察不能なガードレール、
色あせて文字の一部が読めなくなっている看板など…。

70年代、これらの美しさを発見した赤瀬川原平は、
トマソンと名づける。
そして、街中で自分の感性が反応したものに
次々とカメラを向け、採集していった。

今も散歩を続ける赤瀬川の言葉。

 この世は偶然に満ちている。
 街はいづれ老朽化し、その隙間から、
 追い出された偶然がまた顔をのぞかせる。
 カメラにはそれが美味しい。

何の変哲もない風景も、
見る人間次第でまったく違うものとなるらしい。

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