大友美有紀 13年3月3日放送
「凜とした女」高野悦子
雛祭りの原点は、平安時代の
宮廷貴族の幼女の遊び「ひいな」だとされている。
「源氏物語」などにも登場する。
岩波ホール総支配人・高野悦子にとって
「源氏物語」は特別な存在だ。
1950年代、高野はパリの国立高等映画学院に留学していた。
大河小説というジャンルは19世紀にフランスで
誕生したという授業があった。
高野は、フランスの友人たちに、
日本で11世紀にすでに源氏物語という大河小説が
誕生している、と語る。
その作者は、女性だとも。
すると彼らの態度がガラリと変わりました。
もしかすると、わたくしもすごい芸術家なのかも、と。
パリでわたくしが学んだのは、
結局、日本人としてのプライド、
日本の伝統や芸術に対する誇りでした。
帰国すると、高野は岩波ホールの立ち上げに携わる。
最初の上映企画は「戦後日本映画史」だった。