
つくりかたをきかれることがときどきあるので
こちらにひっそりと書いておくことにしました。
全部読むときはこのまま下へスクロール。
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下に準備中とあるものは非表示になっています(中山佐知子)

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「東北へ行こう」は
山形の東北芸術工科大学の授業がきっかけで
はじまりました。
東北の良さをひとりでも多くの人に
知ってもらいたい。
そしてたくさんの人に東北を旅してもらいたい。
そんな願いで出発した企画です。
CMもエッセイも紀行文もお知らせも
音声のあるものもないものも、東北をここにまとめています。
最新版から見る:http://www.01-radio.com/tcs/columnindex/tohoku
年代別にみる:
東北へ行こう2018:http://www.01-radio.com/tcs/archives/30174
東北へ行こう2017:http://www.01-radio.com/tcs/archives/29069
東北へ行こう2016:http://www.01-radio.com/tcs/archives/27999
東北へ行こう2015:http://www.01-radio.com/tcs/archives/26848
東北へ行こう2014:http://www.01-radio.com/tcs/archives/25897
東北へ行こう2013:http://www.01-radio.com/tcs/archives/24314
東北へ行こう2012:http://www.01-radio.com/tcs/archives/21722
東北へ行こう2011:http://www.01-radio.com/tcs/archives/19200
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『友達は容疑者』
ストーリー 原壮俊
出演 遠藤守哉
これはフィクション。ウソの物語。
そう…ウソの物語、ウソの物語なのだ。
ある日、見知らぬ新聞記者から、僕のSNSにメッセージが届いた。
「A子さんという女性を知っていますか?殺人事件の容疑者になっています。」
その事件は、連日、全国ニュースのトップで報じられていた。
行方不明になっていた人物が、
遺体でトランクの中から発見された、衝撃的な事件だ。
A子は、大学の同級生。もう何年も連絡はとっていない。
「そんな事件を起こすようなタイプには思えません…」
自分でも驚くほど、薄い言葉しか出てこなかった。
その後も、新聞社やテレビ局から連絡が相次いだ。
A子は知り合いが少なく、SNSで繋がっているのが、
僕くらいだったのだ。
A子はインドからの留学生。
大阪の高校に通っていたこともあり、
なぜかカタコトの大阪弁を使っていた。
「漢字が分からんわ。夏至って、なんであんな読み方するん。
ワケ分からんわ…」と。
見た目はインド人、中身は大阪人。
そのアンバランスさが、妙に耳に残った。
A子のバッグには、「猫のしっぽ」のキーホルダーが付いていた。
平成ギャルの生き残りみたいなやつだ。
「ヤンキーがクルマに飾ってるやつじゃん!」とからかうと、
「…なんでやねん!」と、毎回、間の悪いツッコミが返ってきた。
僕は、授業に行かない堕落学生だったが、
A子は勉強熱心で、献身的だった。
久しぶりに出席した「ボランティア論」の授業。
彼女は、いつ来るかも分からない僕の席を取ってくれていた。
「来ると思ってたで」
彼女が代返をしていて、僕は毎回出席したことになっていた。
A子からいろんな話を聞いた。
就職活動や母国のインドのこと、
東北の震災支援に頻繁に行ってること。
同居中の彼氏が、精神的に不安定らしく、
「私がお姉さん役やねん」と苦笑いした。
その彼氏は、服代に月20万も使うらしく、
A子はお金まで貸していた。
ダメ男を放っておけない性分だったのか。
僕もその一人だったのかもしれない。
「彼氏、大丈夫?」と聞くと、「大丈夫だよ、ありがとう」と答える。
A子の口癖は「ありがとう。」だった。
電話を切る時も、別れ際も、最後の一言は決まってそれだ。
「外国人の私と仲良くしてくれて、ありがとう」
そんな思いから、自然と口に出ちゃうんだと、彼女から聞いたことがある。
大学を卒業してからは、なんとなく疎遠になった。
「今何してるんだろう?」「ダメ彼氏と別れたかな?」と、
うっすら思い出す程度。
そんな時に例の事件は起きた。
僕を訪ねてきた記者は、警察や探偵のように情報を集めていた。
記事を書くためというより、事件を解決しようとしている。
「この情報は、まだニュースになっていませんが…」と、
事件の詳細を明かし、僕の自宅まで来て情報を引き出しにかかる。
その熱量に負けて、僕は知っている事を話した。
記者に頼まれるまま、A子に「大丈夫?」とだけメッセージを送った。
トップニュースが続いた一週間後、事件は動く。
犯人が分かった。…A子の、彼氏だった。
A子は彼のために、逃走資金や偽造パスポートを工面していたという。
記者によれば、彼女も何らかの罪に問われる、とのことだった。
僕が記者に話した、彼女との思い出は、ニュースで流れることはなかった。
下手な大阪弁も。猫のしっぽのキーホルダーも。
そして、「ありがとう」の口癖も。
根拠のないネットニュースでは、
A子は今、母国でもない別の国に住んでいる。
久しぶりに見たA子のSNSは、震災支援の写真で止まったままだ。
…
A子からメッセージが届いていた。
「ごめんね」
…口癖だった「ありがとう」ではない、たった一言。
その言葉に、 どんな気持ちが込められていたのか。
僕はまだ、考えている。
.
出演者情報:遠藤守哉
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