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田中真輝 20年1月19日放送

jamin96
流星群の仕組み

1908年の今日は、
日本天文学会が設立された日。

わたしたちに身近な天体ショーのひとつ、流星群。
獅子座流星群やオリオン座流星群、など
星座の名前で名付けられているが、
流星がそれらの星座から飛んでくるわけではない
ことをご存じだろうか。

流星となって流れ落ちるのは、実は彗星がまき散らした
細かい塵。彗星が通った軌跡と地球の公転軌道が重なるとき、
そこに残された細かい塵が、地球に落ちてくる。
それが流星群なのだ。

流星群が起きるとき、流星が流れる中心点、
つまり放射点の背景となる星座の名前で、
それぞれ、名付けられているのである。


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田中真輝 20年1月19日放送

by simonwakefield
好奇心と古代遺跡

1908年の今日は、
日本天文学会が設立された日。

イギリス、ソールズベリー平原に円形に並び立つ巨石の列。
ストーンヘンジという名で知られる古代遺跡だ。

最新の研究では紀元前3000年頃作られたことがわかっている。
その頃、日本は縄文時代。

一説には、天文観測所として作られたのではないか、と言われている。
巨石の配置と太陽の位置によって、夏至や冬至ばかりか、
日蝕まで正確に予測できるというのだ。

マヤ文明やアステカ文明など、古代文明の遺跡には、
同じように高度な天文観測所であったと言われているものが少なくない。

農耕を営むために、季節のサイクルを知ることが
重要だったから、というのがその理由だが、
ただひたすらに、頭上を巡る星々の神秘に触れたいという、
人間らしい好奇心が人々を動かしたのでは、という
気がしてならない。


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田中真輝 20年1月19日放送


惑わぬ星

1908年の今日は、
日本天文学会が設立された日。

すい、きん、ち、か、もく、どってん、かい、めい。
そのように太陽系の惑星を覚えた人も多いのではないだろうか。
しかし現在、その最後に位置する「冥王星」は惑星ではない、
とされている。

太陽系の果て、冥王星が位置するあたりに、同じようなサイズの
天体が多数見つかり、惑星の定義のひとつ、
「軌道の近くに衛星以外の星がない」という項目にあてはまらなく
なったためだ。

惑星、と言ったのも人間、やっぱり違った、と言うのも人間。
当の冥王星は、悠久の時間の中、ただ巡る。人の手の届かぬ天空の果てを。


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田中真輝 20年1月19日放送

NASA
検証不可能な宇宙

1908年の今日は、
日本天文学会が設立された日。

最新の理論物理学では、宇宙は1つではなく、
複数存在するという「マルチバース理論」なるものが
提唱されている。それが意味するのは、宇宙の全体像は
観測によって検証することができない、という事実。
果たして、理論は正しくとも、検証ができないものを
実在すると言えるのか。

理解が進むほど、わからないことが増えていく。
宇宙はまだまだ限りなく遠く、広い。


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田中真輝 19年11月16日放送

唐山健志郎
生きる座標

修験道とは、日本古来の山岳信仰が
仏教などの影響のもとに習合された
日本独特の宗教のこと。

自然の中で、極めて厳しい修行を通じて
自ら悟りに至る修験道。その厳しさは、
あえて極端な体験をすることによって、
「中道」つまり「真ん中」を知るため
であるという。

それは自らの体験を通して、
生きることの「座標」を手に入れること
なのかもしれない。



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田中真輝 19年11月16日放送

WolfgangMichel
死を体験する

奈良、吉野から和歌山、熊野にかけて
のびる「大峰奥駆道(おおみねおくがけみち)」は
修験道の修行の場。
その途上にある「山上ヶ岳」はその聖地である。
一般人も一日修行体験をすることができるこの山の
頂上には「西の覗き」と呼ばれる修行場がある。
両肩に紐をかけ急峻な崖からぶら下げられる捨て身行は
まさに死の疑似体験。
生きているという濃厚な実感が欲しいなら、
このショック療法を、一度体験してみることを
お勧めする。



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田中真輝 19年9月22日放送


DNAに刻まれた物語

世界中には、様々な文化、民族に
個別の神話が数多存在する。
しかし不思議なことに、それら別々の神話に
多くの共通性が見られることをご存じだろうか。

例えば、イザナギが死んだイザナミを求めて冥界に
赴くが、イザナミがタブーを犯したために二人は
引き裂かれるという日本神話にあるエピソード。

これに酷似したエピソードが、ギリシャ神話や
ゲルマン神話、メラネシアの神話にも存在する。

一体、これはなぜなのか。

一説には、人類は文化や環境が違っていても
無意識の深いところを共有しているからだという。

神話のルーツは固有の民族や文化が生まれるよりも
はるか昔、ヒトが進化する長い時間の中で
その濃度を増していった記憶の残像に違いない。

神話とは人間のDNAに刻まれた物語なのだ。



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田中真輝 19年9月22日放送


どこからきて、どこへいくのか。

神話はなぜ生まれたのか。
それは「我々はどこからきて、
どこへいくのか」
という問いへの答えを
求めたから、と言えるだろう。

例えば、アフリカのズールー族の神話では、
大きな葦から最初の人間、
ウンクルンクルが生まれ、万物を作った。
ウンクルンクルは新たに生み出した人間の元へ
カメレオンを使いに出し、
「人は決して死ぬことはない」と伝えよと命じた。
しかし、カメレオンはあまりに歩みが遅く、
しびれを切らしたウンクルンクルは新たな使者、
バッタに「人は死ぬ」というメッセージを託し、
後を追わせた。
結果、バッタはカメレオンを追い越し、
人は必ず死ぬ存在となった。

古代の人々は、神話に大いなる謎に対する
答えと慰めを見出していた。
非科学的なほら話、と笑うだろうか。
しかし、そうした神話をもたないわたしたちが
彼らより幸せかどうかは、疑わしい。



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田中真輝 19年9月22日放送


現代の神話

神話は、その時代を生きる人々の行動規範として機能した。
その意味において、現代最も機能している神話は
「資本主義経済」かもしれない。

資本主義経済とは、
「今日よりも明日がより豊かになる」というある種の
楽観論を信じることによって成り立っている。
資本主義社会が生まれる前までは、誰もそんな楽観論を
信じてはいなかったのだ。

世界は、4頭のゾウに支えられた巨大な亀の上に存在している。
かつては信じられていたそんな神話を、今、信じる人はいないだろう。
しかし一方で、昔の人々からしてみれば「資本主義」もまた、
疑わしい神話に見えるに違いない。

現代人にとっても、その神話はやや
疑わしさを増しているかもしれないが。



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田中真輝 19年9月22日放送


科学による世界創生神話

はじめに、エネルギーありき。
エネルギーはやがて素粒子を生み出し、
素粒子から、原子が生まれた。
原子は集まって星となり、星からさらに
新しい原子が生まれた。
新しい原子は宇宙に散らばってゆき、
また集まり地球が生まれ、大地が生まれた。
やがて原子同士が組み合わさって、生命が
誕生した。生命は進化し、複雑化し、やがて
人類を生み出した。

これが、近代科学による世界創生の神話。
信じるも信じないも、あなた次第。



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