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茂木彩海 19年9月29日放送


月のはなし 月に誓って

夜、暗闇にぼんやり優しく光る月は、
昼間の太陽との対比だろうか、
なんとなく見る者を、まろやかに、ロマンチックな気持ちにさせてくれる。

満月の夜は、ちょっと得した気持ちになるし、
三日月の夜は、細くても強い、その光を頼もしく感じる。

そんな月の変化を恋心に言い当てたのは、かのシェイクスピア。

常に変化しているのだから、月に誓ってはならない。
それではあなたの愛もまた変わってしまうだろう。

「ロミオとジュリエット」の一節でもあるこの言葉。

月は、満ちたり、欠けたりしながら、
月の下に集う恋人たちの、変わらぬ愛を試しているのかもしれない。



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茂木彩海 19年9月29日放送


月のはなし 世界のお月見

お月見をするのは、なにも日本人に限ったことではない。

海外のお月見も、日本と同様に
そのほとんどが収穫を感謝するためのものだが、
ヨーロッパではもともと月を
人々のリズムを狂わす「狂気」の象徴と考え
満月でオオカミに変身してしまう「狼男」や
月の元でしか生きられない「ドラキュラ」が生まれた。

同じお月見でも、国が変わればこんなに違う。
いずれにしろ、人類は月の秘めたるパワーを感じざるをえないのだ。



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茂木彩海 19年8月11日放送


太陽のはなし 太陽と芸術家の関係

あらゆる芸術家と親交があったと言われている、
19世紀を生きたフランスの作家、ロマン・ロラン。

学生時代には文学を学ぶ傍ら、美術や音楽などアート活動に没頭。
その後文学作家となってノーベル文学賞を授与した
「ジャン・クリストフ」ではその知識と情熱から、全10巻に渡り
ベートーヴェンを主人公にした物語が紡がれている。

彼が遺した言葉に、太陽と芸術家にまつわるこんな一文がある。

 太陽がないときには、それを創造することが芸術家の役割である。

美術館の細い廊下を抜けた途端、素晴らしい絵画を目の当たりにした瞬間。
コンサートホールで鳥肌が立つほど美しい旋律を聴いた瞬間。

曇った心は晴れやかに、気持ちを一変させてくれる。

芸術家が生み出しているのは、
誰かの心を照らす小さな太陽、なのかもしれない。


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茂木彩海 19年6月30日放送


半分のはなし シラーの友達

ドイツを代表する詩人、シラー。
日本人には馴染みのない名前かもしれないが、
ベートーヴェンの交響曲第9番「歓喜の歌」の
大元となる「自由讃歌」の作詞を行った人物である。

22歳の時に匿名で発表した処女作では
権力に抗う犯罪者を主人公にした物語に多くの若者が熱狂。
このことがきっかけで貴族から追われる身となり、亡命生活へ突入する。

困窮する生活を支えたのが、大親友、ケルナー。
彼を想ってか、シラーはこんな言葉を残している。

 友情は、喜びを二倍にし、悲しみを半分にしてくれる。

素敵な半分こが、彼の人生を支えていた。


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茂木彩海 19年6月30日放送


半分のはなし 1年の半分

1年もすでに半分が過ぎようとしている6月。
毎日忙しく過ごしているうちに、
気づいたらあっという間に終わってしまったという方も多いはず。

そんなみなさんに、希望を持って
イギリスの元首相であるスタンリー・ボールドウィンの言葉を捧げたい。

 人間、志を立てるのに遅すぎるということはない。

伊能忠敬も50歳から測量を学び始め、測量の旅に出たのは56歳。
徳川家康も豊臣秀吉からその座を奪ったのは62歳になってから。

1年のもう半分をどう過ごそうか。
今から今年の抱負を考え直すのも、悪くない。


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茂木彩海 19年5月26日放送


Beautiful Harmony 君が代の音階

「君が代」を聴く機会があると
他の国にはない、独創的な国歌だと改めて気づかされる。

最大の特長は、なんといっても
手拍子が打てない流れるようなメロディーと、独特な音運び。

日本独自の音階は、「四七(ヨナ)抜き音階」呼ばれ、
ハ長調である「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の場合で考えて
4番目の「ファ」と7番目の「シ」を抜いた音階、ということになる。

なじみが無いようにも感じるが、
演歌やJ-POPにも広く使われており、
古くから日本人の耳になじみやすい音階と言える。

令和は英語でBeautiful Harmony。
日本ならではの美しい音使いに耳を傾ける。
そんな年にしてみるのも良いかもしれない。


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茂木彩海 19年5月26日放送

Nam2@7676
Beautiful Harmony 生け花のバランス

日本発祥でありながら、世界的にファンも多い生け花。

欧米のフラワーデザインでは
統一されたフォルムであることが評価されるが、
生け花は、花だけでなく、時に枯葉を使ったり、
木の枝をあえて曲げたりしながら
全体のバランスを見て、空間を美しく見せることに評価が置かれる。

令和は英語でBeautiful Harmony。
生け花に限らず、アンバランスな調和に美を見出す日本人。

時代の変わり目に、日本ならではの美意識をあらためて意識する。


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茂木彩海 19年4月28日放送

kamome
平成よ、ありがとう。 「平成17年-2005年」

平成17年、3月に開催された愛知万博。

「愛・地球博」とも呼ばれたこの万博のテーマは「自然の叡智」。
人類と自然がいかに共存していくかをみんなで考えようという
「理念」を提唱した、はじめての万博となった。

このテーマを受けて、当初予定されていた
森を切り開いて会場をつくる計画に市民団体が抗議。

結果的に環境を破壊することなく移動できる空中回路の開発や
建物ではなくモジュールを展示するなど
様々な工夫で、環境にやさしい万博として各国から評価を受けた。

2025年には大阪万博が控えている。
次の日本は、世界になにを提唱することができるだろう。

平成よ、ありがとう。
いよいよ、令和へ。


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茂木彩海 19年4月28日放送

©️takou saito
平成よ、ありがとう。 「平成23年–2011年」

平成最大の災害として記憶に新しい、東日本大震災。

各国が被害状況をレポートするなか、
日本人の土壇場力に驚く声も数多く報道された。

指示が無くても並んで救援物資をもらう。
外食していても揺れが収まったらお金を払いに戻ってくる。
炊きだしは少な目にもらって行きわたるように遠慮する。

絆と呼ぶには少し軽く、使命と呼ぶには少し重い。
あくまで当たり前のこととして正しい行いができる日本人を
誇りに感じた。

平成には「平和の達成」が願いとして込められている。
災害こそ多かったが、日本人の心には、これからも平成が根付き続けるはずだ。

平成よ、ありがとう。
いよいよ、令和へ。


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茂木彩海 19年3月31日放送


畑のはなし 美味しい土の作り方

良い畑は、良い土から作られる。
ならばその土は、一体どこから来たんだろう?

土の始まりはそのほとんどが溶岩。
長い年月を経て風に飛ぶくらい粉々になったところに
運が良ければ微生物が住みつき、それらが死ぬと
またその上に微生物が住みつき、また死ぬ。
土はそのサイクルを繰り返し、何万年もかけてようやく出来上がる。

だから、使う土に微生物がたくさん含まれているかどうかも
良い畑を作る上で欠かせない条件の一つ。

おにぎりのように丸く握り、
軽くつつくとホロホロ崩れていくのが、良い土の証拠なんだとか。

良い土がなければ、良い畑も作れない。
良い畑がなければ、美味しい野菜とは出会えない。

春野菜を頬張りながら、母なる大地に感謝する。


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