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薄景子 18年12月23日放送

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愛のことば ヘンリー・ヴァン・ダイク

明日はクリスマスイヴ。
世界中のサンタクロースが
プレゼント探しで
かけずりまわっている頃だろう。

あれが欲しいって言ってたっけ。
いやこっちの方が喜ぶかな。

その人を想えば想うほど、
迷って迷ってプレゼントが決まらない。
そんな優柔不断なサンタさんに、
アメリカの作家、
ヘンリー・ヴァン・ダイクの言葉を贈ります。

最高のクリスマスプレゼントは
一番お金をかけたものではなく、
一番多くの愛がこもっているもの。

何を贈るか、迷って迷って
ずっと選べなかったことを伝えてみる。
できれば、言えなかった愛のことばとともに。

ただそれだけで、どんなプレゼントも、
きっと最高の笑顔に変わるはず。

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薄景子 18年11月25日放送

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靴のはなし ハイヒールのルーツ

ハイヒールというのは、
おでこにキスされた女性が発明したもの。

そう言ったのは、アメリカの作家、クリストファー・モーレー。

なんてロマンチックな言葉だろう。
しかし、実際のルーツには諸説あり、
ファッションとしてのハイヒールが生まれたのは16世紀のこと。

太陽王と呼ばれたルイ14世が
背を高く見せるために履きはじめ
脚線美を競うのに欠かせないアイテムに。
「ルイヒール」と呼ばれたその靴が
今のハイヒールの原型となる。

意外にも女性の靴として
定着したのは20世紀に入ってから。
足元を魅せるファッションの広がりとあわせて、
ハイヒールは世界に広まっていく。

コツコツと鳴る高い音。
あぶなげでセクシーな曲線美。
ハイヒールは、もはや女性そのものより
女の魅惑を秘めている、かもしれない。

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薄景子 18年10月28日放送

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Photo by Todorov.petar.p
パンダのはなし パンダの白黒模様

中国で平和の象徴とされる、パンダ。
あの愛くるしい白黒模様を
中国では「陰」と「陽」の
象徴だという哲学者もいるらしい。

陰陽とは宇宙を構成する
ふたつの相反する力。
それを象徴する白と黒の均衡を
パンダは保っているからこそ、
穏やかな性格だともいわれている。

なるほど。
パンダはただ可愛いだけではないのだ。
あの白と黒のモフモフは、
人間の乱れた心のバランスを
一瞬にして整え、癒してくれる
そんな不思議な力を秘めている。

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薄景子 18年9月30日放送

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Photo by Fabian Struwe
大地のはなし ゲーテの言葉

ドイツの劇作家、ゲーテは言った。

 世界は君達に大きく開かれている。

 どしどし遠慮なく進むがいい。

 大地は広々とつづき、
 空は広大無辺にひろがっている。

何かに行き詰ったときこそ、
無限の大地を感じる場所へ旅しよう。
ちっぽけな自分の存在に気づいたとき、
その大地は、遠慮なく前進する勇気をくれる。

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薄景子 18年8月26日放送

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宿題のはなし 宿題の日

夏休みの終わりに
溜め込んだ宿題を必死で片づける。
そんな記憶は誰にでもあるだろう。

8月31日は「宿題の日」に制定されているという。
イギリスのあるチャリティー団体が
学ぶ喜びに気づいてもらうことを願って定めたもの。

世界には教育の機会に恵まれない子どもたちが
6千万人以上いるという。
学べることへの感謝に気づけば
夏の終わりの宿題も、きっといい思い出に変えられる。

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薄景子 18年6月24日放送

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jai Mansson’s photography.
空のはなし No rain, no rainbow.

雨上がりの空にかかる美しい虹。
見上げた瞬間、誰もが
幸福な気持ちになるのはなぜだろう。

虹の州と呼ばれるハワイでは
レインボーは神聖なものとされ、
こんな素敵なことわざもある。

 No rain, no rainbow.

雨がなければ、虹はでない。
辛いできごとも、悲しみも、
やがては晴れる人生につながってゆく。

そんな希望に気づかせるために、
きょうも世界のどこかで
虹は七色に輝いている。

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薄景子 18年5月27日放送

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うたのはなし What a Wonderful World

いいうたって、なんだろう。

世界中の人々を泣かせた名曲、

「What a Wonderful World」

そのタイトルを聴くだけで
ルイ・アームストロングの濁声がリフレインし、
偉大な愛に包まれるような気持ちになる。

作詞・作曲は音楽プロデューサーの
ボブ・シール。

ベトナム戦争を嘆き、
平和な世界を夢見て書かれたその歌詞は
戦争のことにはひとこともふれず、
ただただ美しい言葉で綴られている。

どんなにこの世が不条理でも
それでも、世界は素晴らしくなれる。
そう言い聞かせてくれるように。

いいうたには、希望がある。
その希望を忘れさせないために
うたは歌いつがれ、聴きつがれてゆく。

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薄景子 18年4月29日放送

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わたしのはなし たいせつなこと

わたしとは、なんだろう。

そんな問いがよぎるとき
ふと開きたくなる絵本がある。

マーガレット・ワイズ・ブラウン作
「たいせつなこと」。

スプーン、ひなぎく、りんご、そら…。
あらゆるモノにとって、
「たいせつなこと」を
やさしいことばで教えてくれる。

最後のページには、こう書かれてある。

 あなたにとって たいせつなのは
 あなたが あなたであること

わたしは、ほかの誰でもなく、まるごとわたし。
それを100%受け入れたとき
わたしはもっと、わたしになれる。

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薄景子 18年3月25日放送

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don2g
呼吸のはなし 長田弘の詩と呼吸

ふと気がつくと、
まともな呼吸ができないくらい
追われるように暮らしている。
そんな慌ただしい日々を
風のように吹き抜けることばがある。

詩人、長田弘の詩、「窓のある物語」

 ことばが信じられない日は、
 窓を開ける。それから、
 外にむかって、静かに息をととのえ、
 齢の数だけ、深呼吸をする。
 ゆっくり、まじないをかけるように。

その詩のままに、そっと目を閉じ
ただただ呼吸をゆったり深める。
齢の数まで呼吸しなくとも、
ひと息ごとに胸のざわめきが
静かにやさしくなってゆく。

そうだ。
ことばが信じられない日こそ
ことばを、呼吸を、信じてみよう。
めまぐるしさを時代のせいにするのは
もうやめて。

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薄景子 18年2月25日放送

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喫茶の話 ヘンリー・ジェイムスの言葉 

英国で生まれた午後の優雅な喫茶習慣、
アフターヌーンティー。

ふわりと立ち上る高貴な香り。
紅茶とともに、サンドイッチやスコーンを
2、3段重ねのティースタンドにのせて楽しむ
上流階級文化の精髄である。

かつてイギリスでは、1日2食が主流だったため
小腹を満たすために始まった習慣らしい。
上流階級の女性たちにとって、
夕方は観劇やオペラを楽しむ社交タイム。
夕食前の空腹を紛らわすのにちょうどよかったことも
広まった理由だとか。

そんなアフターヌーンティー文化に
魅せられた小説家、ヘンリー・ジェイムスは
こんな言葉をのこしている。

 午後のお茶という名で知られる儀式に
 費やされる時間ほど、
 心地よい時は人生でそうたくさんはない。

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