細田高広 10年07月17日放送



イングマール・ベルイマン 映画監督

イーストウッド、80歳。
ウディ・アレン、74歳。

創造的な仕事は若い人の方が向いている。
そんな一般論も映画監督たちには
まるで当てはまらない。

スウェーデンの映画監督、イングマール・ベルイマン。
彼もまた、重ねた年齢すら映画の燃料にする男だった。

70歳を越えて一度映画からは引退。
だが80歳半ばにカムバックして
再びメガホンを取った。

 老年は山登りに似ている。
登れば登るほど息切れするが、
 視野はますます広くなる。
 
彼の言葉を聞くと、
歳を重なるのがちょっと楽しみになる。








ケリー・ノーブル 歌手

独身女性が「負け犬」と呼ばれ、「婚活」を迫られる。
自由なはずの恋愛は、いつから
義務になってしまったのでしょう。

「負け犬」と揶揄された女性から、
圧倒的な支持を集めたアメリカのシンガー、
ケリー・ノーブル。

どうして、彼女の歌うラブ・ソングが海を越えて
日本女性の胸に響いたのか。
彼女のインタビューを聞いて、
少しだけ分かった気がします。

 負け犬?
彼女たちは負けたわけではないわ。
“間違った結婚”をしていないだけ。

ケリーが歌っているのは、
ラブ・ソングのフリをした、
女性「応援歌」だったのです。





ドリー・パートン 歌手

40年もの間、カントリー音楽界のトップに
君臨しているドリー・パートン。

ショービズの世界で成功を収めた彼女にも、
初めから華麗な衣装が
用意されていたわけではない。

幼少期の暮らしは貧しく、
ボロボロの布袋を縫い合せて作った
服を着ていた。

彼女は言う。

私の見方からすると、
虹が欲しけりゃ、
雨は我慢しなきゃいけない。

その晴れやかな歌声は、
長い雨に耐えて
手にしたものなのだ。





エルンスト・ルビッチ 映画監督

映画監督エルンスト・ルビッチは、
アメリカ人に恋を教えた男。

男女の複雑な心境を、
視線や小物で表現する彼の手法は、
“ルビッチ・タッチ”と名がついた。

だが彼の本領は、手法だけではない。
男と女への鋭い洞察こそ、
ルビッチの持ち味だ。

例えば、こういうセリフ。

 男は2人以上の女性を同時に愛し、
 消去法で1人に絞る。合理的ね。

何人の男女が、
スクリーンの前で冷や汗をかいたことか。
その伝統は今でも「ラブコメ」という
ジャンルに受け継がれている。

恋愛学の講義は、教室より、映画館がふさわしい。





イングリッド・バーグマン

女優イングリッド・バーグマン。
映画「カサブランカ」で脚光を浴びると、
「ガス灯」でアカデミー主演女優賞を獲得。

だが、そのキャリアの絶頂期に、
仕事も家庭も捨てイタリアへと発つ。
巨匠ロベルト・ロッセリーニ監督の作品に心酔した、
というのが理由だった。
世論からは激しく非難され、ハリウッドから追放された。

だが、数年後。
バーグマンはケロッとアメリカに戻ると、
再びアカデミー賞に輝く。
その表情は、追放劇なんてなかったかのように
晴れ晴れとしていた。

バーグマンは言う。

幸せとは、健康で記憶力が悪いことよ。





ジュディ・ガーランド

映画「オズの魔法使い」のドロシー役で
スターになったジュディ・ガーランド。

その朗らかな歌や演技と裏腹に、
子役の頃から、
睡眠薬に頼る生活を送っていた。

大作に出演し有名になる一方、
過密スケジュールと薬物依存に悩まされ、
離婚と自殺未遂を繰り返した。

私は千の人々の喝采より、
愛する人からの一言、二言が欲しい。

映画スターに憧れる、
私たち普通の人に
映画スターは憧れたりする。





レイ・チャールズ

レイ・チャールズの「What’d I Say」(ホワッド・アイ・セイ )。
「ローリング・ストーン」誌が選ぶ、
もっとも重要な500曲の10位にランクされている。

この曲で印象的なのが、エレクトリック・ピアノだ。
当時ポピュラーソング界では
ほとんど使われていなかったこの楽器に、
レイ・チャールズは真っ先に飛びついた。
周りのミュージシャンたちは
「小っちゃいピアノを買った」とバカにしたらしい。

だが彼は、その小さなピアノを
効果的に使う方法を探り、「What’d I Say」をつくった。

  君たちは目が開いているのに、何も見えないんだな。

そう言いながら陽気に歌う
レイ・チャールズ。
その姿は、目を閉じていても見えてくる。

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