古居利康 13年8月25日放送


Père Ubu
タルコフスキーの日記から ⑧1973年1月29日

『1月29日
 2月5日に『ソラリス』が
 モスクワで劇場公開される。」

『2月6日
『ソラリス』に対する観客の反応は
 よかったそうだ。客席に空席は見当たらず、
 上映中出ていく人はいなかった。』

映画監督タルコフスキーの日記より。
1970年の構想以来、
いくつもの困難を乗り越えて
ようやく公開に至った喜びが伝わってくる。

その後、いくつもの企画を立案しては
却下され、妨害され、潰され、
54年の生涯で、わずか7本の長編映画しか
つくれなかったアンドレイ・タルコフスキー。
ひとはこの映画監督を寡作家と呼ぶ。
しかし、それは正確ではない。
タルコフスキーとは、
つくりたいのに、つくれない映画監督だった

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