小野麻利江 15年10月18日放送

151018-08
日本語のはなし 秋の終わりの日本語


「雀大水に入り蛤となる(すずめ うみにいり はまぐりとなる)」。
そんな日本語をご存じだろうか。

これは、二十四節気(にじゅうしせっき)を3つに分けた
「七十二候(しちじゅうにこう)」の言葉で、
今で言う、10月半ば頃の時候の変化を示したもの。

雀たちが海に集まり鳴き騒ぐ。
それがあるときを境に、ぱたりといなくなる。
秋の終わりのそんな寂しさを、

 雀たちが海に入って、蛤になったからではなかろうか。

と解釈した、中国の言い伝えに由来するのだという。

雀の色合いを蛤に見立てた、ユーモラスなこの言葉。
俳句における最も長い「秋」の季語、という説もあるが、
15文字にもなる季語は、案の定つかい勝手が悪いようで。
小林一茶の句にも、蛤と雀のモチーフだけが残されている。

 蛤に なる苦も見えぬ 雀かな


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