2017 年 4 月 のアーカイブ

名雪祐平 17年4月29日放送

170429-02

ファーストレディという、あやふや

女は、夫に願った。

 核戦争の時もそばにいさせて。

核のボタンを押せるのは夫だけだった。
アメリカ大統領、
ジョン・F・ケネデイ。

産んだばかりの息子が死んだ時は、
夫と泣いた。

 これ以上耐えられないことは、
 たったひとつ。
 あなたを失うことよ。

そのわずか3ヶ月後、
テキサス州ダラスでパレード中、
夫が銃撃された。

車に飛び散る
夫の頭部の欠片。

それを必死で
手であつめようとする
ファーストレディの姿があった。

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名雪祐平 17年4月29日放送

170429-03

ファーストレディという、あやふや

女は、ファッションに夢中だった

夫、ジョン・F・ケネデイ大統領が
暗殺された時は、
女のピンクのシャネルスーツが、
夫の赤い血を浴びた。

失意の後、ギリシャの大富豪で
62歳のオナシスと再婚。

小切手と結婚したな。

そう世界から批判が集中した。

にもかかわらず、
女は服、靴、バッグ、宝石を買い漁った。

この結婚は、
毎月目をむくような請求書を
つきつけられることなのか。

嫌気が差したオナシスは
離婚を考えたが、別れる前に死んでしまう。

女には、莫大な遺産が転がりこんだ。

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名雪祐平 17年4月29日放送

170429-04

ファーストレディという、あやふや

女は、正しいと疑わなかった。

ルーマニアの独裁者、
チャウシェスク大統領の
ファーストレディとして。

部屋数3107室の贅の限りを尽くした
巨大宮殿の建造も、正しい。

結果、8万人もの住民が家を失う。

女性は45歳までに5人の子どもを産む
人口増加政策も、正しい。

結果、捨て子が激増。

穀物、工業生産のほとんどを輸出に回し、
国内の貧困も、正しい。

結果、パン1つにも飢え、氷点下に凍える。

とうとう、国民の不満が爆発し、
ルーマニア革命が起こる。

多数の犠牲者を出しながらも、
独裁者夫婦は捕らえられた。

銃殺刑のまえ、女は叫んだ。

 国家の母を殺せるものか!

結果、女の正しさは死んだ。

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名雪祐平 17年4月29日放送

170429-05

ファーストレディという、あやふや

女たちは、ファーストレディ。

公人か、私人か。
美しいか、そうでもないか。
知的か、ゲスか。
残酷か、慈悲深いか。

私たちは、
ファーストレディに何を求めるのだろう?
あやふや。

夫が国のトップに出世しただけなのに。

摩訶不思議な、ファーストレディ。

いずれにしても、注目されてしまう女たち。

ファーストジェントルマンが
注目される時代も来るのだろうか?

それは、きっと、いい時代。

レディもジェントルマンの差もなく、
優れた国のトップが増える時代、
かもしれない。

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原央海 17年4月23日放送

170423-01
mrlins
16時台 「中川家」篇

「駆け込み乗車をするサラリーマン」から、
「気の強い大阪のオバチャン」まで。

街中でよく見かける光景の形態模写といえば、
兄弟漫才コンビ「中川家」がピカイチだ。

数々の漫才コンテストのグランプリを獲得している、この2人。

ボケ担当のお兄さん、
中川剛(なかがわつよし)は「漫才師になるために必要な才能」を問われ、
こう答えたそうだ。

貧乏だったってことかな。
物を与えてもらえなかったから、
自分らで面白いことを考えて、作り出してた。
人を見て、人に興味持つしか遊ぶものなかったから。
それが、今につながっていると思う。

どんな状況をも面白がろうとする気持ちが、
彼らを日本一の漫才師へと導いたのかもしれない。

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原央海 17年4月23日放送

170423-02
よっちん
17時台 「ますだおかだ」篇

「おもしろいマンザイ師になりたい」。
小学校の卒業文集に書いた言葉をそのまま叶えたのが、
漫才コンビ「ますだおかだ」のボケ担当・増田英彦(ますだひでひこ)。

元・世界のナベアツの桂三度(かつらさんど)とは、中学時代の同級生。
兄弟漫才コンビ「中川家」は、中学の後輩だそうだ。

熱い想いで漫才に取り組む増田から出てくる言葉は、
やはり熱い。

とあるテレビの漫才コンテスト優勝後。
シャンパンファイトをしていた彼は、客席に向かって、こう叫んだ。

テレビに出てるだけが面白い芸人じゃないです!
ライブにはいっぱいおもろい芸人がいます!
テレビだけじゃなく、みんなライブに来てください!

シャンパンをたっぷり浴びた彼は、
会場全体から拍手喝采も浴びることになった。

ちなみに、
相方である岡田圭右(おかだけいすけ)が卒業文集で書いた言葉は、

無欲

そんな真逆な2人が奏でる漫才だからこそ、
聴いていて心地良いのかもしれない。

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原央海 17年4月23日放送

170423-03

18時台 「フットボールアワー」篇

誰かが不祥事を起こせば、すぐにネットが炎上。
何か問題が起これば、SNSや掲示板にツッコミの声が溢れる今の時代。
誰かはこう呼ぶ。「一億総ツッコミ時代」だと。

そんな時代に生まれた「例えツッコミの天才」といえば、
漫才コンビ「フットボールアワー」の後藤輝基(ごとうてるもと)だ。

彼のツッコミは的確、でありながら、笑える。

この時間は、彼の「例えツッコミ」の数々を紹介していこう。

女性お笑いコンビ・たんぽぽの2人の
化粧前と化粧後のギャップの激しさに…
「高低差ありすぎて耳キーンなるわ!」

相方・岩尾の口臭に対して…
「奥歯のほうで猫死んでますよ。」

露出度の高い女性タレントの衣装に…
「こんなもん、四捨五入したら裸ですよ。」

共演した芸人の弟が9年浪人しているという話を聞き…
「9年言うたら、生まれた犬がボチボチ死ぬ頃ですよ!」

芸人仲間のつまらないギャグには…
「お前、よくそんなギャグ出せたな。
 陶芸家やったら割ってるヤツやで。」

ツッコミのプロ、さすがである。

少しの言い間違いをしただけで、「噛んだ」とツッコまれる今の時代。
ツッコミが世の中に広まる様子を見て、後藤は何を想うのだろうか。
意外にも彼は、とあるインタビューでこう答えている。

ツッコむ人って、なんかしんどくないですか?
リーダーシップを取ろうとしているみたいで。

僕はなりわいですから仕方がない。
でも普段はそんなにしゃべらないです。
みんなで楽しくやってる時に“なんやねん”とか言われたら冷めますやん。
だからむやみやたらに使わんほうがええと思いますけどね。

ツッコミのプロ、さすがである。

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原央海 17年4月23日放送

170423-04

19時台 「アンタッチャブル」篇

「いやいやいやいやいや~。」

この謙虚な受け答えをトレードマークに
一躍有名になった漫才コンビといえば、「アンタッチャブル」だ。
彼らは自分たちのことを「謙虚芸人」と呼ぶ。

先輩芸人から憧れられるほどの面白さと大胆さを持っているこの2人は、
大きな漫才コンテストに対しても「気負いがない」という。

スベることに不安はないのだろうか。
ボケを担当する山崎弘也(やまざきひろなり)は、
とあるインタビューでこう答えた。

最悪、スベっても
死ぬわけじゃないっていう。

厳しい環境に身を置いた時、
開き直った男は誰よりも強い。

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原央海 17年4月23日放送

170423-05
naufragoenlasopa
20時台 「ブラックマヨネーズ」篇

2種類の「なんでやねん」を使い分けられたから。

それが、漫才コンビ「ブラックマヨネーズ」の
ボケ担当・吉田敬(よしだたかし)が
ツッコミ担当・小杉竜一(こすぎりゅういち)を相方に誘った理由である。

吉田の目線と言葉選びは、独特だ。

とある日に、SNSで突然こんな投稿をしたそうだ。
「悔しさを食え。悔しさはクソまずいけど、何より力になる。
 ほんまは、クソまずいものなど食べたくない。
 ムリして食わなくていいよ。
 でもな、せめてクソまずいの食って吐いてる奴を見かけても笑うな。」

1000以上の「いいね!」を集めた
この投稿の真意を聞かれた彼は、こう答えたそうだ。

悔しい思いをした時、悪口ばっかり言いたくなる。
けど、それを消化してみる。
「なんでそんな事を言われたのか?」
「それを覆すために何ができるのか?」
と悔しさに向き合うことが必要。
悔しさを食ったらマズい。ただ、それが一番頑張る力になる。

同期のイケメン芸人・チュートリアル徳井と比較されつづけ、
実力がありながらも、なかなか世間からの人気が出ないことに苦しんだ吉田。
悔しさを味わいつづけた彼だからこそ、出てくる言葉は、深い。

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原央海 17年4月23日放送

170423-06

21時台 「チュートリアル」篇

吉本男前ランキングで3年連続一位を獲得し殿堂入り。
テレビ番組でとあるスピーカーの魅力を語った日には、
売上がメーカー予想の3倍を超える。

それほどの人気と、
確かな実力を持った芸人と言えば、
漫才コンビ「チュートリアル」のボケ担当、イケメン芸人・徳井義実(とくいよしみ)だ。

そんな徳井と同居するのは綺麗な女性、
ではなく、
漫才コンビ「スピードワゴン」ボケ担当の小沢一敬(おざわかずひろ)。

愛を知る県、愛知県で生まれた小沢は、極度のロマンチスト。

今は、日曜日の夜の9時過ぎ。
合コンを始めている若者たちに、
小沢が生み出した乾杯の音頭をご紹介したい。

地球上に、今さ、人口って何人いるか知ってる?
…63億人いるの。
63億人に、1人に1秒しか会わなくても、180年かかるの。
それが俺たちどう?
もう出会って5分以上経ってる。
奇跡 乾杯!

1つ1つの出会いに、感謝したくなる。

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