2018 年 6 月 のアーカイブ

石橋涼子 18年6月24日放送

180624-06
National Museum of the USAF
空のはなし ライト兄弟の飛んだ空

1903年と言えば、
機械が空を飛ぶことは不可能、と考えられていた時代。
そして、ライト兄弟が世界で初めて飛行機に乗って空を飛んだ年。

今、何かに限界を感じている人に、彼らの言葉を贈ります。

 いま正しい事も、
 数年後 間違っていることもある。
 逆にいま間違っていることも、
 数年後 正しいこともある。
 そして我々は、飛行機はきっと空を飛ぶと確信していた。

さあ、広い空を見上げて、まずは一歩、踏み出そう。

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茂木彩海 18年6月24日放送

180624-07
twbuckner
空のはなし 空想の空

空想という言葉があるように、
人はなにかを想う時、空を見上げることがある。

児童文学「赤毛のアン」で描かれるアンはおしゃべりで空想好き。
虹ひとつ見ても、こんな風に目を輝かせる。

 森の女神があたしたちが帰ってしまってからあらわれて、
 これをスカーフにするんじゃないかしら。

空を見上げながら心を解放する時間は
子供だけでなく、大人にこそ大切な時間にちがいない。

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薄景子 18年6月24日放送

180624-08
jai Mansson’s photography.
空のはなし No rain, no rainbow.

雨上がりの空にかかる美しい虹。
見上げた瞬間、誰もが
幸福な気持ちになるのはなぜだろう。

虹の州と呼ばれるハワイでは
レインボーは神聖なものとされ、
こんな素敵なことわざもある。

 No rain, no rainbow.

雨がなければ、虹はでない。
辛いできごとも、悲しみも、
やがては晴れる人生につながってゆく。

そんな希望に気づかせるために、
きょうも世界のどこかで
虹は七色に輝いている。

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川野康之 18年6月23日放送

180623-01

男と女の『古事記』

『古事記』が伝える日本神話。
そこには生き生きと愛し合う男と女の姿が描かれている。

イザナギとイザナミはお互いのむくむくと成長した体を見つめ合った。

「でも私の体には一つ足りないところがあるの」

とイザナミが言うと、

「ぼくの体には一つ余計なところがあるよ」

とイザナギ。

「ぼくの余計なところを君の足りないところに埋めてみるのはどうだろう」
「いい考えね」

そして二人は子供をつくった。
失敗もしたけど元気な子供たちをたくさん生んだ。
その子たちが日本の島々になった。

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川野康之 18年6月23日放送

180623-02

男と女の『古事記』

『古事記』が伝える日本神話。
そこには生き生きと愛し合う男と女の姿が描かれている。

イザナミが死んだ時、イザナギはどうしてもあきらめきれなくて、
死者の国にまで探しに行った。
でもそこで見つけた愛する人は変わり果てた醜い姿になっていた。

「見ないでって言ったのに」

その顔を見て、イザナギは怖くなって逃げた。
追いかけてくるイザナミ。
振り切ったイザナギは、黄泉の国の出口を岩でふさぎ、
こうして二人の間は永遠に終わりになった。

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川野康之 18年6月23日放送

180623-03

男と女の『古事記』

『古事記』が伝える日本神話。
そこには生き生きと愛し合う男と女の姿が描かれている。

スサノオは乱暴者であった。
田畑を壊し、用水路を埋め、神殿に汚物をまいた。
父を怒らせ、姉を困らせ、ついには神々に追放されてしまった。
そんなスサノオが遠い出雲の地で、
怪物への生け贄にされそうだった一人の少女と出会う。
彼女のために怪物と闘って、命を救った。
スサノオは誇らしいすがすがしい気分だった。
やっと自分のいる場所を見つけたような気がした。
その地に家を建て、少女クシナダヒメを妻にし、歌をうたった。

 八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣つくる その八重垣を

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川野康之 18年6月23日放送

180623-04
Flow in edgewise
男と女の『古事記』

『古事記』が伝える日本神話。
そこには生き生きと愛し合う男と女の姿が描かれている。

オオナムヂは末っ子で体が小さくて、兄達からひどくいじめられていた。
何度も殺されそうになって、とうとう逃げ出した。
助けを求めに行った家で、そこの娘スセリビメと出会った。
その瞬間、お互いに一目ぼれ。
二人はさっそく愛し合った。
それを聞いた娘の父は怒った。
無礼な若者に次々と過酷な試練を与える。
ひ弱だったオオナムヂは試練を克服するうちに、
しだいに強くたくましくなって行った。
とうとう娘を父の手から奪い取った。

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川野康之 18年6月23日放送

180623-05

男と女の『古事記』

『古事記』が伝える日本神話。
そこには生き生きと愛し合う男と女の姿が描かれている。

スセリビメを手に入れて自信満々のオオナムヂ。
自分をいじめた兄達を追い払い、
山のふもとに立派な宮殿を建てて、王となって国づくりを始めた。
日本中を歩きまわり、いい女を探して妻にした。
そんな彼を人はヤチホコと呼んだ。
正妻のスセリビメは嫉妬して、
ある日、馬に足をかけて出かけようとするヤチホコを引きとめ、
熱い思いを歌にして訴えた。
わたしにはあなた以外に男はいない、あなた以外に夫はいないと。
これにはヤチホコもくらっときた。
二人はお互いの首に手をかけあっていつまでも仲良く暮らしたとさ。

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澁江俊一 18年6月17日放送

180617-01

マンハッタンの語源

今日はニューヨークに
自由の女神が贈られた日。

ニューヨークにはかつて
先住民族レナペ族が住んでいた。
魚や貝、鳥や鹿などを狩り
トウモロコシやカボチャなどを栽培し。
限られた資源で豊かに暮らしていたレナペ族。
彼らの文化は今もまだ、
ニューヨークの地名として残っている。

例えばマンハッタン。
これは「丘の多い島」または
「我々がみな、酔っぱらいにされた島」
という意味だったという説がある。

確かにマンハッタンの人々は
いつも新しい刺激に酔っている。

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田中真輝 18年6月17日放送

180617-02
Susan NYC
ニューヨーク 街の通奏低音

今日はニューヨークに
自由の女神が贈られた日。

ニューヨークシティ。
その街角に立って、耳をすますと、
街の喧騒の最も奥に、途切れることのない
唸りのような音を感じることができるはずだ。

耳からというよりは、
全身の細胞を震わせる振動として伝わってくる。
一説よると、人の営みが生み出した音は、
地中深く打ち込まれた高層ビルの鉄骨を通じて
マンハッタン島の固い岩盤を振動させる。

その振動が共鳴しながら跳ね返され、
街全体に広がっていくのだと言う。
ニューヨークが常に高揚感に満ちているのは
この絶え間ないバイブレーションに人々の魂が
揺さぶられ続けているからなのかもしれない。

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