薄組・薄景子

薄景子 14年6月8日放送

140608-08
calium
家のはなし 茨木のり子の家

「茨木のり子の家」という写真詩集がある。

使いこまれて皺がよった皮のソファ。
すりガラスにきざまれた楕円のパターン。
いま見てもモダンな自宅写真の合間に
彼女の詩が美しくレイアウトされる。

 

食卓に珈琲の匂い流れ
ふとつぶやいたひとりごと
 あら
 映画の台詞だったかしら
 なにかの一行だったかしら
 それとも私のからだの奥底から立ちのぼった溜息でしたか


曳きたてのキリマンジェロの香りは、
彼女の鼻腔を通ってことばとなり、
きっとこの部屋から
いくつもの詩が生まれたことだろう。

家は、そこに住む人の匂いを記憶する。
茨木のり子の家の写真からは
珈琲の香りが漂ってくる。

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0歳3カ月の育児の話し。

ごぶさたしております。
薄組の石橋涼子です。
育児日記がまったく更新されていなくてすみません。
というか肝心の原稿執筆を休んでいてすみません(内部向けコメント)。

そして!
タイトルがリセットされているじゃないかと
お気づきになった人はいらっしゃるでしょうか?
そうです。
そういうことです。

すーさんが若返りました。
ちがいます。

すーさんに弟ができました。
育児日記もセカンドシーズンに突入です。

というか、すーさん、いつの間にか2歳10カ月です。
成長を一年以上も省略された挙げ句、主役から降板です。
ごめんねすーさん!

新主役のじろさん(仮名)は現在6キロちょっと。
オムツはSサイズ。
座布団が敷き布団として使えるくらいのちっちゃさです。
赤ちゃんだなあー。

ひたすらミルク飲んでうんちしてたまに吐いて
寝て泣いてまた寝ております。
赤ちゃんだなあー。

というわけで、育児絵日記セカンドシーズン
何卒よろしくお願いいたします。

原稿執筆復帰はもう少々お待ちください…(内部向けコメント)

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薄景子 14年5月18日放送

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学びの話1 ウィリアム・ウォード

アメリカの作家であり、牧師であり、教育者でもある
ウィリアム・ウォード。

彼がのこした言葉の中で
世界の教師たちの座右の銘となっている名言がある。

 平凡な教師は言って聞かせる。
 よい教師は説明する。
 優秀な教師はやってみせる。
 しかし最高の教師は子どもの心に火をつける。

教えるということは、
決して「押しつける」ということではない。

教師という言葉を
「人間」におきかえると
だいじなことが見えてくる。

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薄景子 14年5月18日放送

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学びの話2 ホイットマン

問題の渦中にいるときは
なかなかそうは思えないのだが。

悩み苦しんだことは、時がくるとたいてい、
あの時があったから今があるのだと
自然と思えてくるから不思議である。

アメリカの詩人、ホイットマンは言う。

 寒さにふるえた者ほど、太陽の暖かさを感じる。
 人生の悩みをくぐった者ほど、生命の尊さを知る。

すべての経験は、
あたりまえの日々に感謝するための
学びの時間。

そして、その人生に必要な学びは、
一生を終えるその日まで、
果てしなく続く。

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熊埜御堂由香 14年5月18日放送

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学びの話3 高峰秀子

昭和を代表する女優、高峰秀子。
5歳で子役デビューして、あっというまに人気者になった。

それは彼女を、「学校」から遠ざけた。
小学校はもちろん、いわゆる義務教育を
満足に受けることができなかった。

彼女が26歳のときに発表したエッセイ集、「私の渡世日記」。
文章の巧みさに世が驚いた。
出版社に、ほんとうに本人が書いているのか?と
問い合わせが殺到したほどだった。

高峰は、子役時代から、自分の出演する映画の脚本を、
あたりまえのように読んできた。
さらに、キャリアを積み出演作を選ぶようになると、
より脚本を精緻に読み込むようになったという。
出演作は400作を超えた。

さらに結婚した映画監督、松山善三が病に倒れると、
脚本の口述筆記を一手に引き受けた。
右手の中指に、ペンだこが固まって
指がいびつに太くなっても、
夫の言葉をかきとめ続けた。

彼女は言う。
 私の生きてきた道は常に文章と道づれでした。

女優として、妻として、
読んで、書いて、生きた。
厳しく、清らかな、学びの姿勢がそこには、ある。

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熊埜御堂由香 14年5月18日放送

140518-04
カノープス
学びの話4 谷川俊太郎

 はなののののはな はなのななあに
 なずななのはな なもないのばな

谷川俊太郎の「ことばあそびうた」という
詩集の一節だ。
子どもたちの口から口へと
伝わっていきそうな、素朴な楽しみに満ちた
ことばがならぶ。

学ぶとは、真似るを語源にするが、
そういう遊びと学びのあいだの行為から、
ひとはことばの扉を開けるのだろう。

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小野麻利江 14年5月18日放送

140518-05

学びの話5 B・B・キング

ブルース界の巨人、B・B・キング。
親戚が持ってきたギターに初めて触れたのは、彼が8歳の時。
以来ギターに夢中になり、
農場で働いた給料で手に入れた自分のギターを手に
ラジオから流れてくるジャズ、ブルース、
カントリー&ウェスタンといった音楽をコピーしはじめた。
ある日、街角でブルースをプレイしたところ、
投げ銭が増えたことから、ブルース・プレイヤーになることを決心。
ブルースへの傾倒を強めていった。

テネシー州メンフィスのラジオ局でDJとして名を馳せた後、
1949年にレコードデビュー。
以来、半世紀以上にわたり、文字通りブルース界の「キング」で
ありつづけている彼だが、

 いろんな楽器を弾くことで、
 ギター・フレージングに効果があるんだ。

と、ギター以外にも、ピアノ、ベース、ドラム、
ハーモニカ、ヴァイオリン、クラリネットなどを独学で習得している。

学ぶことの素晴らしいところは
誰にも取られることがないってことだ。

B・B・キングの成功は、数え切れない学びでできている。

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小野麻利江 14年5月18日放送

140518-06

学びの話6 DJおばあちゃん

「暇つぶしと、ぼけ防止に」。
そんな理由で習い事をはじめるシニアは、きっと少なくない。
でも、そう言って習い始めたのが「DJ」だとしたら・・・?

「DJ SUMIROCK(スミロック)」こと
岩室純子(すみこ)さん。78歳。
高田馬場の老舗餃子店で働いている。
知り合いが主宰するイベントで、クラブの楽しさに開眼。
DJスクールに通いはじめた。

先生のダメ出しを受けながらも、すでに東京やパリ、
ノルマンディのクラブで回したこともあるという。

 夢は、ニューヨークのクラブデビュー。

そう語るDJ SUMIROCKを前にすると
「年寄りの冷や水」なんて諺のほうが、
時代遅れに見えてくる。

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茂木彩海 14年5月18日放送

140518-07
audreyjm529
学びの話7 オールド・ブラウン・シュー

学びへの意欲は
興味が持てないと
なかなか起きないものだが、
これが恋だったりすると、話は早い。

例えば
ビートルズ
『オールド・ブラウン・シュー』の一節。

 君と一緒になれるんだったら
 天気よりもすばやく君好みの男に変わってみせる。

想いがあれば、学ぶ力はずっと強まる。

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茂木彩海 14年5月18日放送

140518-08

学びの話8 ハックルベリー・フィンの冒険

長い教育の中で、
私たちの「学び」は、気づかぬうちに
「義務」に近づいてしまったのかもしれない。

知らない知識に出会ったら、学ばなくちゃ。
偉い人の話を聞いたら、学ばなくちゃ。
本を読んだら、学ばなくちゃ。

そんな習性を見抜くかのように
『ハックルベリー・フィンの冒険』の冒頭、
著者のマーク・トウェインはこんな警告を出している。

 この物語に主題を見出そうとする者は起訴される。
 教訓を見出そうとする者は追放される。
 プロットを見出そうとする者は射殺される。

夢中で文字を追い掛け、想像し、没頭する。

そういう学びの方法もあると、
この本は教えている。

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