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渋谷三紀 20年2月8日放送


針のお話  針供養

今日2月8日は針供養の日。
針供養が行われるようになったのは、
家庭で針仕事をする人がふえた江戸時代。
この日は針仕事を休み、
使えなくなった針を寺社へ収めたり、
豆腐などの柔らかいものに刺して供養した。
ひとが柔らかい布団を好むように、
柔らかい場所でゆっくり休んでください、
ということだろうか。
いちど針に、豆腐の刺し心地を聞いてみたい。


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渋谷三紀 20年2月8日放送


針のお話  釣り人

釣り人の代名詞である太公望は、
川で釣りをしていた太公望が、
通りかかった周の文王と語らううち気に入られ
家臣に迎え入れられた故事に由来する。
そのとき太公望はすでに80歳。
たまたま出くわしたわけでなく、
実はずっと機会を伺っていたようだ。
垂らした釣り針は真っ直ぐで、
釣り糸は水面に届いていなかったと言われている。
待ち続けた太公望は、
大臣の座、のちには一国の王の座を釣り上げた。


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渋谷三紀 20年2月8日放送


針のお話  針箱

イギリスの思想家、トーマスカーライル。
ある日ひとりの婦人が彼のもとに訪れた。
「家庭のことで気持ちが落ち着かないのです」
沈む表情の婦人にカーライルはこう答える。
「まずは、あなたの針箱を片付けなさい」
数週間後、再び訪れた女性は
晴れやかな表情でお礼を述べた。
「針箱を片付けたら、家の中も片付けたくなって、
気付いたら心の中も落ち着いていました」
人生の問題も、意外と身近なところに
糸口があるのかもしれない。


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渋谷三紀 20年2月8日放送


針のお話  ハリネズミ

恋をした二匹のハリネズミ。
お互い身体を近づけようとするが、
ハリが邪魔でうまくいかない。
それでも諦めず何度も近くうちに
二匹はちょうどいい距離を見つけられた。
というのが、いわゆるハリネズミのジレンマのお話。
相性というのは、ちょうどいい距離のことかもしれない。


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渋谷三紀 20年2月8日放送


針のお話  時計の針

時計周りという言葉があるように、
時計の針は世界共通、右回りと決まっている。
なぜだろう。
時計のルーツは600年ほど前に
エジプトでつくられた日時計。
地面に立てた棒の影が
太陽の動きとともに向きを変えるが、
北半球はそれが右回りなのだ。
時計が南半球で生まれていたら
時計の針は左回りだったかもしれない。


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渋谷三紀 19年11月17日放送

hemiolia
あの人の料理帖 森茉莉の“卵”

ウフ・ジュレにオムレット・オ・フィーヌゼルブ。
森茉莉のエッセイに登場する卵料理は、
声に出すと思わず口角が上がる。

卵の殻の表面から、
新雪に白砂糖、さらには上等な西洋紙や
フランスの仮綴じの本までを想像したり、

ゆで卵をつくる様子を、
「銀色の鍋の中に、透明な湯が泡をたてて渦巻いていて、
その中に真白な卵が浮き沈みしている」
なんて歌うように書ける人を、
私は茉莉のほかに知らない。

文字で味わう料理は、幸福と空腹をつれてくる。
食べるということは、
生きる喜びとどこか深いところでつながっているのだ。



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渋谷三紀 19年11月17日放送


あの人の料理帖 幸田文の“味噌”

「みそっかす」という随筆がある。
書いたのは幸田露伴の娘、文。

露伴はとりわけ文に厳しかった。
できのいい姉に比べて自分はみそっかす。
だから父に愛されないのだと、
文はずっと思っていた。
娘の思いを知った露伴はこんな言葉をおくる。

 人には運命を踏んで立つ力がある。

代々伝わる行儀作法と家事の仕方のすべてを、
文に伝えようとしていた露伴。
厳しいながらも深い父の愛情に、文は気づく。

そういえば、味噌をこした後には、
芯の強いところが残る、
という話もある。



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渋谷三紀 19年11月17日放送


あの人の料理帖 歌川国芳の“海老天”

江戸の浮世絵師、歌川国芳は
多くの美人画を残した。
その一枚が「園中八撰花・松」。

松を背にした女性が手にするのは、
串に刺した海老の天ぷら。
江戸湾から揚がったものだろう。
庭見物の合間なのか語らいの最中なのか
視線を左に向け、
口元に手を添えている。
いたずらっぽく笑う姿が愛らしい。

次の瞬間こちらを向き、
胡麻油をたっぷり吸った衣を
サクサクかじるところまで、
こちらに想像させる。

食い気は色気。
生き生きと生きるちからは美しい。



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渋谷三紀 19年11月17日放送

甘 單
あの人の料理帖 土井善晴の“塩むすび”

60年以上つづくNHK「きょうの料理」に伝説の回がある。
土井善晴先生の「塩むすび」。

新米のおいしさやおむすびについて7分半語り、
そこから手に塩をつけ
おむすびを握った土井先生。
塩むすびだけで15分の放送をのりきったことに、
視聴者は拍手を送った。

塩むすびのポイントは二つ。
キレイに手を洗うことと熱々のご飯を握ること。
最後に土井先生は、
「大きさや形には、ばらつきがあっていいんですよ」
と主張した。

つい形にとらわれてしまうけれど、
大切なのは、食べておいしいかどうか。
料理は、生きることの基本を思い出させてくれる。



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渋谷三紀 19年9月14日放送

nolabwork
銭湯のおはなし「富士山」

銭湯の壁の絵といえば富士山。
はじめて描かれたのは大正元年のことでした。
東京の猿楽町にあった銭湯「キカイ湯」が
子ども達によろこんでほしいと絵師に依頼。
その絵師が故郷の富士山を描いたのがはじまりだそう。
日本を象徴する山で、信仰の対象、
見た目も美しく、何より縁起がいい。
まわりの銭湯もマネをして
銭湯の富士山はいっきに広まりました。
体温とともに気分も上々!
といったところでしょうか。


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