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熊埜御堂由香 20年8月30日放送

yoppy
冷たい麺の話  カッペリーニの大変身

冷製パスタ「カッペリーニ」。
夏のイタリアンで出会うちょっと特別なこのメニュー、
実は、本場イタリアでは、食べる習慣がほぼないそうだ。

正確には、カッペリーニとは、あの細麺をさす名称だ。
おなじみのスパゲティとは直径2ミリ程度のもの。
直径0.9ミリの極細麺をカッペリーニと呼ぶ。

その極細麺を冷たく仕上げる冷製パスタの発祥は2つの説がある。
1970年代に来日したイタリア人シェフが、
冷たい蕎麦に感銘を受け考案したものが最初か。
はたまた、青山にある名店の、
日本人シェフのメニューが最初とも言われているのだ。

いずれにせよ、冷たい麺を愛でる日本人の食文化が、
カッペリーニを冷製パスタとして大変身させた。


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熊埜御堂由香 20年6月28日放送


パフェの話  コンフレークの存在意義

昨年、人気のあるお笑いコンビが、
パフェのコンフレークをかさ増しだとネタにした。
そのネタは、パフェの中にひっそり積まれていたコンフレークが
困惑するほど話題になった。
コンフレークの代わりにスポンジや、
グラノーラを使ったパフェを提供するファミリーレストランが
現れるなど、パフェ界にもコンフレーク議論が巻き起こった。

コンフレークの役割は?
パフェの魅力である誇らしげにそびえたつ高さを演出するため?
いやいや、箸休めならぬ、スプーン休めとして、
アイスやソースの甘さをサクサクの食感でリセットするため?

今日はパフェの日。
コンフレークの存在意義とは何か?
はさておき、パフェ、食べませんか。


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熊埜御堂由香 20年6月28日放送

Yuichiro Haga
パフェの話  締めパフェ

食事や飲み会の後に食べる締めのパフェ、
通称「シメパフェ」が全国的に流行っている。
紳士もソフトクリームを舐める街とも言われる札幌が発祥だ。
老若男女問わず甘いものを好むひとが多いそうだ。

食事の終わりに向かい合ってパフェを食する。
締めのラーメンでは生まれない、
幾重にも重なる濃密な時間が生まれそうだ。
今日、6月28日は、パフェの日です。


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熊埜御堂由香 20年5月31日放送


音楽の力 手洗い動画の歌

♪Happy Birthday to you
この曲を2回歌う間、
しっかり手を洗おう。
そうすればウイルスも怖くない。
世界中でそんな呼びかけが広がった。

世界中で一番歌われている曲としてギネス登録もされている
「Happy Birthday to you」。
このメロディは、音楽著作権で史上最も稼いだ曲とも
言われている。
なんと、その額、3000万ポンド、約42億円。
2016年に権利を持っていたワーナーが、
著作権の無効を裁判で受け入れて、
今では、パブリックドメインとなっている。

みんなのものになった、この歌が
手洗い動画として拡散されて、家の中を明るくした。
ありがとう、
♪Happy Birthday to you

さあ、音楽の力を、希望の力に。


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熊埜御堂由香 20年4月26日放送

国立国会図書館デジタルコレクション
お風呂のはなし 湯船の由来

浴槽のことを、湯船とも言うが、その由来をご存じだろうか。

お風呂が一般化したのは江戸時代。
けれどまだ、家にお風呂があるのは一部の裕福な家だけだった。
多くの人は、たらいのお湯で行水をするくらいだった。
元禄時代になると銭湯ができ始めたが
まだまだ数が足りない。

そんなとき、舟に浴槽を積み込んだ移動式銭湯があらわれた。
お湯を積んだ舟だから「湯船」と呼ばれた。

のちに、湯屋と呼ばれる銭湯が増えていくと、
湯船は次第に、姿を消していった。
けれど言葉だけは残って、
なみなみとお湯がはられた浴槽を
私たちは今も、自然と湯船と呼ぶ。

今日は26日、風呂の日。
ひとり湯船に身を委ねたら、空想の世界へ
船旅に出かけてみるのもいいかもしれない。


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熊埜御堂由香 20年3月29日放送


春野菜のはなし  アスパラガスの由来

春の食卓に彩りを添えるアスパラガス。
江戸時代にオランダ船から、
鑑賞用の植物として日本にもたらされた。

明治時代に北海道の開拓のため
食用の種子が持ち込まれて
日本人にも馴染みの深い野菜となっていく。

新芽、を意味するラテン語の「asparagus―アスパラガス」
がその名の語源だ。
ヨーロッパでは、その個性的な姿から、
マドモワゼルの指先と呼ばれたり、野菜の女王とも呼ばれる。
この春は、茹でたてをほおばる前に
その美しい姿を拝んで、口にしたい。


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熊埜御堂由香 20年1月26日放送


白のはなし  白衣の天使

白衣の天使と呼ばれたナイチンゲール。
当時、看護師の仕事は、病人の召使いで、
専門知識の必要がない女性の職業と捉えられていた。

裕福な家庭に生まれた彼女は、
両親の反対を押し切り、看護師の仕事に従事し、
1854年のクリミア戦争で活躍した。

その後、様々な医療現場の改革を提言し、看護学校を設立。
この職業の地位向上のために90歳まで力を尽くした。

ナイチンゲールが残した言葉がある。

 女性よ、自立しなさい。
 自分の足で立ちなさい。


白衣の天使は、潔白な強さで
たくさんの女性たちの背中に
勇気の羽を与えたのだ。


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熊埜御堂由香 20年1月26日放送

PazGomez
白のはなし  ポルボロン

スペインのアンダルシア地方の修道院で、
7世紀ごろ生まれた伝統菓子、ポルボロン。
口に入れた途端、粉雪のようにホロリととける食感から
塵や埃を意味する、Polvo (ポルボ)
という言葉から名付けられた。

小麦粉にたっぷりバターを混ぜ込んだクッキーで、
表面を白い粉雪のようなお砂糖が包み込む。
食べ終わるまでに「ポルボロン、ポルボロン、ポルボロン」
と3回唱えることができたら幸せになれると言われている。

白くてコロンとしたお菓子は、
数えきれない人々を幸せな気持ちにして、
今も世界中で愛され続けている。


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熊埜御堂由香 20年1月26日放送

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白のはなし  白の慣用句

真っ赤な嘘、白黒つける、黄色い歓声…。
日本語には、目に見えないものを色にたとえて
表現する言い回しが多数ある。

中でも「白」を使った慣用句や熟語は多い。
白を切る、白紙に返す、白い目で見る。
清廉潔白もあれば、顔面蒼白もある。
明るくピュアなイメージの「白」でも
その意味はただ明るいものばかりではない。

英語でもwhiteを使った慣用句がある。

たとえば、“white lie”は「白い嘘」。
誰も傷つけることのない小さな嘘は
嘘だというのに罪がなく、むしろ愛とか優しさを秘めている。

白は、前後の言葉との組み合わせで
変幻自在に意味を変えていく。
それこそが、何色にも染まらない、
白だからこそのなせる業、なのかもしれない。


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熊埜御堂由香 19年11月24日放送


紅葉のはなし 日野原先生と葉っぱのフレディ

1982年にアメリカの哲学者、
レオ・バスカーリアが書いた童話、葉っぱのフレディ。
春に生まれた葉が、冬に枯れゆき、土に還り、
また新しい葉っぱを生むというストーリーだ。
日本では、2000年に医学博士の日野原重明さんが、
ミュージカルにしたことで、絵本を越えて親しまれるようになった。

日野原先生が、編集者に絵本の舞台化を提案すると、
「では、先生が脚本を書いてください」と言われた。
その言葉を受けて、ご自身が脚本を書いた。
89歳の時のことだ。

秋になって、色どりどりに紅葉した自分や、
仲間をみて、葉っぱのフレディは問う。
いっしょに生まれた同じ木の同じ枝の同じ葉っぱなのに、
どうして違う色になるの?
親友のダニエルが答える。
今まで受けてきた太陽、風、月の光、星明かり、
なにひとつ同じ経験はないからさ。

医師として数々の命を見つめてきた日野原先生が紡ぎ直した
ミュージカル版は、多くの感動を呼びブロードウェイでも上演された。
日野原先生は、その後、105歳で亡くなるまで、命について発信を続けた。
はらりと地に落ちた紅葉する葉を、手にする。
その色に、心を奪われるのは、命の輝きが込められているからだ。



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