2009 年 11 月 14 日 のアーカイブ

名雪祐平 09年11月14日放送

1114

リチャード・カールソン

テレビはしゃべる。
大変だ、大変だ、大変だ。

新聞は書く。
考えろ、考えろ、考えろ。

友だちは打ち明ける。
困った、困った、困った。

アメリカの心理学者、
リチャード・カールトンのアドバイスは、こうだ。

1.小さいことにくよくよするな。
2.全ては小さいことだ。

こんな、
かんたんな法則があるなんて。

2.

徳川光圀

水戸黄門こと徳川光圀は、
グルメな殿様だった。

生類憐みの令を馬鹿にしながら、
牛や豚、羊の肉を好んで食べた。
ラーメン、チーズ、餃子を
日本で最初に食べたともいわれる。

ただ、自分の誕生日には、
白粥と梅干しですませた。

その日は、お産で
母親に最も苦労させた日だから。
母親の恩を忘れないように、という
粗末な食事。

それも、きっと、深い味。

3.

高橋慶一郎

21世紀に、
どんどん信者を増やした宗教。

その名は「スピード」

もっと早く。
ビジネスは、スピードいのち。
遅ければ負ける、つぶれる。
そんな、呪文たち。

ユニチャームの創業者、
高橋慶一郎は違った。

人が1時間ですませるものを、
考えに考えて2時間かけてみよう。

そうやって、オムツは
やさしく出来あがるのかもしれない。

4.

オグ・マンディーノ

生命保険を売る男が、
自殺を決意した。

質屋のウィンドウに29ドルのピストル。
しかし、思いとどまり、
気がつくと図書館の前にいた。

図書館で、自己啓発本を手にしたことで、
男は甦った。

生命保険で見事な営業成績をおさめ、
やがて自らも自己啓発本を書いた。

作家、オグ・マンディーノはこうしてデビューし、
これまでに作品は3500万部を売り上げた。

こんどはその本が、世界のたくさんの命を
救っているのかもしれない。

1114

ジョーン・ロビンソン

経済学者は、
リーマン・ショックを防げなかった。

イギリスの経済学者、ジョーン・ロビンソンは、
かつてこんな皮肉を言った。

経済学を学ぶ目的は、
経済学者にだまされないためである。

経済学者が、
小さい政府とか、大きい政府とか、
論じることがもう
政府中心の考え方かもしれない。

人間中心の経済学者、求ム。

6.

ジャンヌ・エビュテルヌ

18歳の春、運命の出会い。
パリで絵を学ぶジャンヌ・エビュテルヌは、
画家モディリアーニと恋におち、同棲する。

20歳の秋、長女を産む。
21歳の冬、最愛のモディリアーニが死ぬ。
肺結核と、大量の酒と、薬物依存による病死。

2日あと、ジャンヌ自殺。
自宅の窓から身を投げる。
1歳の長女を残して。
妊娠中の二人目の子と一緒に。

絶望には、色があるのだろうか。
それとも、闇か。

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