熊埜御堂由香 11年3月27日放送



冒険の話 栗城史多 

寒いです。とても寒いです・・・
その冒険家は、よく泣き。よく弱音をはいた。

登山家・栗城史多(くりきのぶかず)。

登山をはじめたきっかけは、失恋だった。
高卒でフリーターの栗城から彼女は去った。
彼女が求めていたのは、「大卒、公務員、車持ち」そんな男だった。
彼女の気持ちがわからなかった。そのショックから、
彼女の趣味だった登山をはじめる。

そのとき20歳。寒いし、辛いし最初は冬山が嫌いだった。
けれど、1週間ほどかけて冬山を先輩と登ったとき。
その背中を泣きそうな思いで追いながら
不可能を超えていく自分に
気づいた。

それから栗城は小型カメラを背負い
インターネット中継しながらエベレストなど世界の山々に挑みはじめた。
そこにいる栗城は、冒険家というより、ひとりの素直な若者だった。
多く同世代がリアルタイムで応援の言葉を返した。
栗城は言う。

悔しかったら悔しがるし、泣いて弱音を吐いてもいい。
それが頑張る力になるから。




冒険の話 マウ・ピアイルグと石川直樹

地図のない時代。
ミクロネシアの人々は星の位置を頼りに
数千キロの海を渡った。

その航海術の後継者、マウ・ピアイルグ。
勇猛という名をもつこの老人に憧れ、
ある日本人が、突然会いにきた。

冒険家の石川直樹。
当時21歳の石川にマウは星を覚えろと言った。

そして一緒に海へでた。
4日の予定だった航海は6日を過ぎ、飲み水はつきた。
それでもマウは動じない。
星を見つめ、波や風を全身で受け止めながら指示を下した。
そして9日目、波の向こうに島が見えた。

マウは別れ際に石川に言った。

 心の中に星が見えるか?

心のなかに星が見えたら
自分の位置を見失うことはない。
それは冒険家にとっていちばん大切な教養かもしれない。




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