松岡康 13年8月17日放送



シャー・ジャハーン

墓は時に愛のシンボルとなることがある。

イスラム建築の傑作、タージマハル。
『真珠の涙』とも呼ばれるその美しい建築は、
ムガル帝国5代目のシャー・ジャハーンが
最愛の妃ムムターズ・マハルの死を悲しんで建てた墓だと言われている。

美しさを支えているのは、その完璧なまでのシンメトリー。
門や塔の位置はもちろん、細かい装飾に至るまで
全てが線対称に作られている。
まるで、永遠の愛を表現しているかのように。

そんなタージマハルに、
一カ所だけシンメトリーではないところがある。
マハルの棺の横におかれたシャー・ジャハーンの棺だ。

彼の死後置かれたこの棺によって、
完全なシンメトリーは崩れた。

愛するマハルのすぐ隣に眠るシャージャハーンは、
何を思って、眠っているのだろうか。

タグ:

«    »

topへ

コメントをどうぞ

CAPTCHA



login