大友美有紀 14年2月2日放送



「冬季オリンピック」カール・シュランツ

かつて、オリンピックにプロの選手が、
出ることはできなかった。
当時のオリンピック憲章に
「スポーツで報酬を得てはならない」とあった。

そのために失格となり、1972年の札幌大会に
出られなかったアルペン・スキーの選手がいる。
カール・シュランツ、オーストリア。
スキーはお金のかかる競技だ。
彼は、堂々とスキーメーカーの広告に出演していた。
IOC会長は、シュランツを走る広告塔と非難し、
ついには札幌大会からスキーをオリンピック競技ではなく、
世界選手権とするプランを披露した。

カール・シュランツは、
自分だけオーストリアに帰るか、
世界中のアルペン選手全員が
オリンピックから追い出されるかを、迫られた。
彼ひとりがオリンピックから去った。

その2年後、憲章は大幅に緩和され、
プロ選手を禁止する決まりはなくなった。

今年、何人のプロ選手が、
シュランツが手にできなかったメダルを獲得するだろう。

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