藤本宗将 15年7月18日放送

150718-04

ホームランの話 藤村富美男(ふじむらふみお)

かつて「物干し竿」と呼ばれた長いバットで
ホームランを量産した打者がいた。
ミスタータイガースこと、藤村富美男。

ヒントにしたのは知人に誘われたゴルフだった。藤村曰く、

「長いものでシバいたほうが、
 遠心力があるからよく飛ぶだろうと」

しかし、理由はもうひとつあった。

「川上の赤バット、大下の青バットという時代。
 拮抗してなにか特徴のあるバットはないかいな、とね」

そんな目立ちたがりは、
選手兼監督になってからも変わらなかった。

1956年6月24日の対広島戦。
1点ビハインドで迎えた9回裏2死満塁の場面で
3塁コーチについていた藤村は、球審にこう告げたのだ。

 「代打、ワシ!」

スタンドの観客は大喝采。
そして打席に入って3球目。藤村の物干し竿が一閃すると、
打球はレフトスタンドへと消えていった。

それは日本球界史上2人目の代打逆転サヨナラ満塁本塁打。
そして、藤村にとって現役最後の本塁打。
ショーマンシップあふれるプロの生き様は、
最後の最後まで派手だった。

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