厚焼玉子 17年3月18日放送

170318-05
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春の妖精 バイモ

春の妖精と呼ばれる草花がある。
その名の通り、春まだ浅い野山に咲き、
初夏の日差しを浴びる前に姿を消す。

母の貝と書いてバイモ。
ほっそりした茎に百合に似たうつむきかげんの花が咲く。

中国原産で、日本には江戸時代に渡来したと言われているが
平安時代の辞書「和名抄」にすでに名前が出ているから
実はもっと古いのかもしれない。

万葉集の防人の歌にも「母という花」が出てくる。

 時々の花は咲けども何すれそ 母とふ花の咲き出来ずけむ
 (ときどきの 花はさけども 何すれぞ 母とふ花の 咲きでこずけむ)

母という名の花が咲いていたら一緒に連れて行きたい。
そんな気持ちが込められた、ちょっと切ない歌。

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