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ちょっと不思議な「いただきます」 〜トマト〜
時は、大航海時代。
ジャガイモやトウモロコシ、唐辛子などともに
新大陸から旧大陸に伝わったのがトマト。
しかし、猛毒をもつベラドンナに似ていたため、
当時、毒を持つ植物と信じられ、食用にされなかったという。
この誤解を解いたのは、
飢餓に苦しむ南イタリアの青年であった。
空腹に耐えかねた青年は、
トマトを食べてみたところ、
毒がないどころか、美味しいことを発見した。
こうして、トマトは、
地中海沿岸の南ヨーロッパを中心に広まっていき、
マルタの主要農産物のひとつになっていった。
2018 年 10 月 13 日 のアーカイブ
河田紗弥 18年10月13日放送
河田紗弥 18年10月13日放送
ちょっと不思議な「いただきます」 〜トマト〜
南米原産のトマトが
北米で食べられるようになったのは、
ヨーロッパよりも更に200年以上後のこと。
1820年、
ニュージャージー州の農場主であった
ロバート・ジョンソン大佐は
当時信じられていたトマトには毒がある、という説を否定するために
自ら命を張ることを決めた。
町の裁判所前に、人々を集めて、トマトを食べてみせたのだ。
この様子を見て、気絶してしまう人もいたんだとか。
後に、このジョンソン氏の勇気ある行動をたたえ、
ジョンソン・デーというお祭りが開催されていたとも言われている。
河田紗弥 18年10月13日放送
ちょっと不思議な「いただきます」 〜ポテトチップス〜
19世紀半ば。
ニューヨーク州のリゾート地サラトガ・スプリングスでのこと。
この地でシェフをしていたジョージ・クラム氏は
ある客に苛立ちを覚えていた。
というのも、わがままな客が、
クラム氏が作ったフレンチポテトが分厚すぎて気に入らないと言ったのだ。
仕方なく、薄く切って揚げたフレンチポテトを出しても、
まだ気に入らないと、
何度もやり直しをさせられた。
頭にきたクラム氏は、
皮肉を込めて、フォークでさせないくらいに
思いっきり薄くスライスしたジャガイモを揚げて出したところ、
これが大好評!
いまやおやつの定番であるポテトチップスは
こうして生まれたのであった。
河田紗弥 18年10月13日放送
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ちょっと不思議な「いただきます」 〜肉じゃが〜
日本帝国海軍が広めた料理は、カレーライスだけではない。
日本海軍のリーダーのひとりで、
日清日露戦争で大活躍をした東郷平八郎は、
ある日艦上で
「イギリスで食ったビーフシチューの味が忘れられん!作れ!
牛肉、ジャガイモ、人参が入っておった。」
とコックに命じた。
しかし、コックにはビーフシチューの知識がなく、
また材料もなかったため、
あり合わせの材料で、コックのイメージするビーフシチューをつくりあげた。
こうして完成したのは、
ビーフシチューではなく、現在の肉じゃが。
リクエストした東郷の想いは叶わなかったものの、
洋食の味にへきえきしていた他の乗組員たちは、大層喜んだという。
河田紗弥 18年10月13日放送
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ちょっと不思議な「いただきます」 〜シリアル〜
アメリカ人の朝食の定番とも言える「シリアル」
このシリアルは、あるひとりの男の失敗によって生み出された。
ウィル・キース・ケロッグは
医学博士の兄に頼まれ、
研究助手や患者の食事の調理を受け持っていた。
ある日、パン生地の主要な原料である茹でた小麦をほったらかしにして
数時間後に慌てて戻ってみると、
小麦がフレーク状になっていた。
興味を持ったケロッグ氏は、
フレーク状態になったその小麦を焼いてみたところ、
カリカリのスナックが出来上がったのだ。
患者たちに食べてもらうと、これが大好評!
ケロッグはこれを大量生産することを決め、
現在のケロッグ社が誕生したのであった。