2019 年 9 月 のアーカイブ

厚焼玉子 19年9月28日放送


ろごきっと
秋の虫 熊楠のコオロギ

コオロギは「つづれ刺せ」と鳴くと昔から言われ
ツヅレサセコオロギと言う種類もいる。
「つづれ刺せ」は
着物のほころびを修理しようと言う意味だが、
実際にコオロギの声を聞いてもそうは聞こえない。

天才生物学者の南方熊楠は
コオロギの鳴き声を
「寿司食って餅食って酒飲んで、つづれ刺せ、夜具刺せ」
と書いている。

どうも。天才にしか聞こえない声があるようだ。

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厚焼玉子 19年9月28日放送


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秋の虫 カンタン

カンタンは儚げな姿の小さい虫で
その鳴き声は秋の虫の女王と言われるほどだ。

秋も深まった水辺で
少し冷たい風に吹かれながらカンタンの声を聞くと
誰もが風情があって美しいと言う。

カンタンは滅多に捕まらないが、
捕まえて部屋で声を聞いた人の話によると、
けっこう大音量でうるさいそうだ。

やはり虫の声は野山で聞くべきと思う。

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厚焼玉子 19年9月28日放送


風の花
秋の虫 カネタタキ

チッチッチという声が
庭や公園の木のあるところから聞こえたら
それがカネタタキだ。

カネタタキは1センチかそこらの小さい虫で
鳴き声も小さいが
気温が下がると昼間も鳴くようになるので
ああこの声だとわかるようになる。

姿も声も万事に控えめなカネタタキだが
オス同士が出会って競い合うと
俄然激しい鳴きかたになる。

小さくてもプライドはしっかりと。

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澁江俊一 19年9月22日放送



神話のたどった道

世界の神話には
大きく2つの流れがある。
そんな学説がある。

その2つとは
ローラシア型神話と
ゴンドワナ型神話。

アフリカで生まれた人類が
地球上に広がるまでのルートの違いが、
神話に2つの流れを生んだという。

神話とは
文字のない時代に
私たちのはるかな祖先が
この世界と自分たちとの間にある
無限の問いの答えを考え続けて生まれた
未来へのメッセージ。

何万年も昔。
命の危険を冒してまで
まだ見ぬ土地へと移動しながら
神話を編み出した私たちの祖先がいた。
そこに想いを馳せるだけで、
時空を超えた旅が始まる。

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澁江俊一 19年9月22日放送



ローラシア型神話

世界の神話には
大きく2つの流れがある。
そんな学説がある。

北半球に伝わるローラシア型神話と
南半球に伝わるゴンドワナ型神話。

アフリカで生まれた人類が
地球上に広がるまでのルートの違いが、
2つの流れを生んだという。

ローラシア型神話では
神が無からこの世界をつくったとされる。
ドラゴンを倒し、世界が秩序化され、
王が生まれるなど、ストーリー性があり、
幾度となくゲームや映画の題材にもなってきた。

世界の創造の話は
わかりやすく、感情移入しやすい。
しかし時に、戦争や不平等の正当化にも
これらの神話が用いられた。

私たち現代人の多くは
今もローラシア型神話の世界を
生きている。

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澁江俊一 19年9月22日放送



ゴンドワナ型神話

世界の神話には
大きく2つの流れがある。
そんな学説がある。

北半球に伝わる
ローラシア型神話と
南半球に伝わる
ゴンドワナ型神話。

アフリカで生まれた人類が
地球上に広がるまでのルートの違いが、
2つの流れを生んだという。

ローラシア型神話では
神が無からこの世界をつくったとされるが
ゴンドワナ型神話では世界は最初からあり
すべての自然にも生命があり
人間と動物は同等の存在だった。

何万年も自然を観察し続け
永遠の成長や自然の支配を求めず
人と自然のあるべき関係性を考え続けた。
人類の原点ともいうべき
ゴンドワナ型神話に、今こそ我々は
もう一度耳を傾けてみようじゃないか。

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澁江俊一 19年9月22日放送



日本の神話の未来

世界の神話には
大きく2つの流れがある。
そんな学説がある。

アフリカで生まれた人類が
地球上に広がるまでのルートの違いが、
2つの流れを生んだという。

神が無から世界をつくったとされる
北半球のローラシア型神話と
世界や自然はもともとあり
人はそこで生かされているとする
南半球のゴンドワナ型神話。

日本の神話や民話には
その2つの神話の
どちらもが流れ込んでいるという。

もしかしたら
数万年後の未来の
新たな神話の流れは
日本から生まれているかもしれない。

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田中真輝 19年9月22日放送



DNAに刻まれた物語

世界中には、様々な文化、民族に
個別の神話が数多存在する。
しかし不思議なことに、それら別々の神話に
多くの共通性が見られることをご存じだろうか。

例えば、イザナギが死んだイザナミを求めて冥界に
赴くが、イザナミがタブーを犯したために二人は
引き裂かれるという日本神話にあるエピソード。

これに酷似したエピソードが、ギリシャ神話や
ゲルマン神話、メラネシアの神話にも存在する。

一体、これはなぜなのか。

一説には、人類は文化や環境が違っていても
無意識の深いところを共有しているからだという。

神話のルーツは固有の民族や文化が生まれるよりも
はるか昔、ヒトが進化する長い時間の中で
その濃度を増していった記憶の残像に違いない。

神話とは人間のDNAに刻まれた物語なのだ。

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田中真輝 19年9月22日放送



どこからきて、どこへいくのか。

神話はなぜ生まれたのか。
それは「我々はどこからきて、
どこへいくのか」
という問いへの答えを
求めたから、と言えるだろう。

例えば、アフリカのズールー族の神話では、
大きな葦から最初の人間、
ウンクルンクルが生まれ、万物を作った。
ウンクルンクルは新たに生み出した人間の元へ
カメレオンを使いに出し、
「人は決して死ぬことはない」と伝えよと命じた。
しかし、カメレオンはあまりに歩みが遅く、
しびれを切らしたウンクルンクルは新たな使者、
バッタに「人は死ぬ」というメッセージを託し、
後を追わせた。
結果、バッタはカメレオンを追い越し、
人は必ず死ぬ存在となった。

古代の人々は、神話に大いなる謎に対する
答えと慰めを見出していた。
非科学的なほら話、と笑うだろうか。
しかし、そうした神話をもたないわたしたちが
彼らより幸せかどうかは、疑わしい。

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田中真輝 19年9月22日放送



現代の神話

神話は、その時代を生きる人々の行動規範として機能した。
その意味において、現代最も機能している神話は
「資本主義経済」かもしれない。

資本主義経済とは、
「今日よりも明日がより豊かになる」というある種の
楽観論を信じることによって成り立っている。
資本主義社会が生まれる前までは、誰もそんな楽観論を
信じてはいなかったのだ。

世界は、4頭のゾウに支えられた巨大な亀の上に存在している。
かつては信じられていたそんな神話を、今、信じる人はいないだろう。
しかし一方で、昔の人々からしてみれば「資本主義」もまた、
疑わしい神話に見えるに違いない。

現代人にとっても、その神話はやや
疑わしさを増しているかもしれないが。

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