2019 年 10 月 5 日 のアーカイブ

佐藤延夫 19年10月5日放送



樹木の話 イチョウ

イチョウの木は、不思議だ。
葉っぱは広葉樹のようなカタチだが、
実は針葉樹の仲間。
しかも1億5000万年前、
ジュラ紀あたりから生き残っている。
そしてギンナンの実は、強い悪臭を放つ。
木材は、まな板などにも加工されるが、
臭いの強いものとそうでないものがあるという。
ちなみに、ギンナンの実がつくのは雌株のみ。

木がある程度大きくなるまで、
雄株と雌株の判別は難しいそうだ。

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佐藤延夫 19年10月5日放送



樹木の話 カラマツ

カラマツは、
日本の針葉樹の中で
ただひとつの落葉樹だ。
秋、輝くほどの黄色に色づき、
パラパラと散っていく。
葉が落ちる松なので、落葉松とも言われる。
東北や中部地方の山岳地帯に自生しており、
やがて広く植林されるようになったが、
東京などの暖かい地域ではほとんど見られない。

もしも、東北南部や長野あたりで
美しい黄色の並木を見つけたら
それはきっとカラマツです。

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佐藤延夫 19年10月5日放送



樹木の話 クリ

秋を代表する味覚のひとつ、クリ。
古代から人々の食料になったが、
実だけではなく、木材も古くから重用されてきた。
程よい硬さで耐久性に優れ、水にも強い。
また、粘りがあり、
割れたり暴れたりすることも少ない。
鉄道の枕木や土木用材のほか、
工芸品にも多く使われている。
縄文時代の遺跡からも、
クリの木が建築物の土台として
使用されていた形跡が残っているそうだ。
さすが人間は、抜け目がない。

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佐藤延夫 19年10月5日放送


Amehare
樹木の話 カツラ

落葉広葉樹のカツラは日本の固有種で、
古事記や万葉集にも登場する。
落ち葉がカラメルのような甘い香りを放つので、
「香りが出る」、「香出(かづ)」というのが
名前の由来とも言われる。
ハート型の葉っぱは小ぶりで可愛く、
秋には美しい黄色に染まる。
木材は柔らかめで加工しやすく、
カツラを素材とする工芸品も多い。

現在の「桂」という漢字が使われる前。
万葉集では、木へんに風、今でいう「楓(かえで)」の文字が
当て字で使われていた。

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佐藤延夫 19年10月5日放送


将棋せかい
樹木の話 ツゲ

目が細かくて滑らか。
硬くて粘りがある。
優れた特徴を多く持つツゲの木は、
有用材として様々な用途に使われてきた。
櫛、将棋の駒、印鑑。
昔は定規や機械部材にもなった。
ツゲ製品の産地と言えば、
鹿児島県指宿市と伊豆諸島の御蔵島。
薩摩ツゲは櫛、
御蔵ツゲは将棋の駒が有名だ。

童謡「こぎつね」に登場する「つげの櫛」は、
薩摩ツゲと考えて間違いない。

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