2020 年 8 月 15 日 のアーカイブ

渋谷三紀 20年8月15日放送


carlfbagge
「ひまわり」について

夏の花、ひまわりの名前は、
「日が廻る」の意味で、
太陽を追いかけて成長することから来ている。
ひまわりは光が当たらない後ろ側が早く成長するから、
若い茎や咲きはじめたばかりの花は
光の向きに合わせて曲がる。
そして完全に開いたひまわりの多くは
東を向いているのだそうだ。
そんな生物学的根拠はひとまずおいておくとして。
ひまわりを見ていると、
明るい方を向いて生きようと思う。

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渋谷三紀 20年8月15日放送



「ひまわり」とインディアン

ひまわりの原産地は北アメリカ。
インディアンは紀元前3000年頃から
ひまわりを栽培して様々な用途に使っていた。
粉末状に砕いてお菓子やおかゆやパンにしたり、
他の野菜と混ぜて食べたりするのはもちろん、
茎を乾燥させて家を建てる材料にしたり、
塗り薬にしたり、
ひまわり油を髪や肌に塗ったりもしていたらしい。
インディアンにとって、
ひまわりは欠かせない資源だった。

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渋谷三紀 20年8月15日放送



「ひまわり」とゴッホ

花瓶に活けられた
ひまわりを描いた画家のゴッホ。
新天地の南仏アルルに移り住み、
後からやって来る友のゴーギャンを待ちながら描かれた
その絵には、希望に満ちたゴッホ自身が溢れ出ている。
実は当時のヨーロッパで黄色は裏切りを意味していて、
決してポジティブな色ではなかった。
しかし、そこはゴッホ。
そんな常識、まぶしい絵の具で塗りつぶしてしまった。

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渋谷三紀 20年8月15日放送


Irina Callegher
「ひまわり」とロシア

暑い国で咲く花、
というイメージがあるけれど、
ひまわりはロシアの国花だ。
生産量で世界一になったこともある。
極寒の地で、なぜひまわりが広まったのか。
宗教上の理由で油脂食品が禁じられていたロシア。
禁止リストに載っていなかったひまわりの種を
人々は自然と食べるようになったらしい。
鑑賞するだけではない。
ひまわりは生きるために必要な花だった。

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渋谷三紀 20年8月15日放送



「ひまわり」とギリシア神話

ギリシア神話にこんな物語がある。
太陽神アポロンと恋に落ちた水の女神クリュティエ。
心変わりしてしまった彼を
クリュティエは遠くから見つめ続けた。
9日9晩たったとき、その足は地面に根付き、
一輪のひまわりになっていたという。
そんな話を聞けば、ひまわりを見る目も変わる。
悲しいほどの情熱で太陽を向き、咲いている。

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