薄組・薄景子

茂木彩海 17年4月30日放送

170430-06

図書館の話 冬眠図書館

18種類の架空の仕事と、その従業員のインタビュー集。
タイトルは、「じつは、わたくしこういうものです」。

この中に、一風変わった図書館が登場する。

なんでも、その図書館は冬の間だけ小さな森の中に夜通し開いていて、
お夜食としてコーヒーと、パンと、シチューがふるまわれるという。

司書は、そのシチュー当番を任される重要な役職だ。

冬眠図書館は
冬眠するように本を読むための図書館です。

誰にも邪魔されず一人、本の世界にこもる。
本好きの夢が、ここにある。

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小野麻利江 17年4月30日放送

170430-07
sbrrmk
図書館の話  ポルトガルの幻想図書館

ブラジル・リオデジャネイロにある、「王立ポルトガル図書館」。

後期ゴシック様式で建てられ、
天窓のステンドグラスやシャンデリアは豪華絢爛。
そこに、カラフルな背表紙を持った古い蔵書が
天井近くまで積み上がっている。
その光景は児童文学に出てくる「魔法使いの学校」そのもので、
「幻想図書館」とも呼ばれている。

そして、約35万冊もの蔵書を持ちながら、
一般の人が手を触れることは一切禁止されている。

図書館なのに、閲覧できない。
おとぎ話のような図書館のありようが、リオにある。

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小野麻利江 17年4月30日放送

170430-08

図書館の話  40年間”延滞”された本

世間一般の『延滞』より
長い期間借りてしまいましたが、返却致します。

昨年、そんな手紙と一緒に
アメリカ・オハイオ州のデイトン・メトロ図書館に
返却された1冊の本。

差出人の住所は、約6800kmも離れたフィンランド。
そして本が貸し出されたのは、何と1970年代。

およそ40年前、差出人の弟が
交換留学生としてオハイオ州にいた時に
借りたようだ、とのこと。

さて。この話を聞いてドキッとした方がいたら、
ご自分の本棚を、確認してみてもいいかもしれません。

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石橋涼子 17年3月26日放送

170326-01

風の話 ウォードの例え

アメリカで教育に多くたずさわった作家
ウィリアム・アーサー・ウォードが残した、こんな言葉がある。

 悲観主義車は、風にうらみを言う。
 楽観主義者は風が変わるのを待つ。
 現実主義者は帆を動かす。

そろそろ春らしい風を感じる季節。
心地いい追い風もあれば、
厳しい向かい風もある。

この春、あなたはどんな風を捉えるだろうか。

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石橋涼子 17年3月26日放送

170326-02

風の話 マーガレット・ミッチェルの風

「風と共に去りぬ」は、南北戦争時代のアメリカを舞台に
激動の人生を歩んだスカーレット・オハラの物語だ。

当初、出版社が想定していたタイトルは違うものだったという。
作者のマーガレット・ミッチェルは、
「風と共に去りぬ」が良いと思う理由をこう書き送った。

 去年の雪のように消え去った時代、
 戦争という風に吹かれて滅び去ったもの、
 風に立ち向かうのではなく、
 風と共に去った人々を象徴できると思うのです。

作者自身がモデルと言われている主人公は、
時代の風に翻弄されながら、
それでも明日に向かって生きることを、自ら選んだ。

どの時代も風は吹いているけれど、常に立ち向かわなくてもいい。
吹き飛ばされても、立ち上がればいいのだから。

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薄景子 17年3月26日放送

170326-03
hexion
風の話 風の名前と辻往夫

日本には風の名前が2000以上もあるという。
春の風だけとってみても、そこには
春を愛でる日本人の繊細な感性があふれている。

花を信じる風と書く花信風(かしんふう)は
花の季節の到来を告げるように吹くやさしい風。

光の風と書く光風(こうふう)は
うららかな春日和に吹きよせる風。あるいは、
雨上がりに光る日差しを浴びて吹く風をいう。

風の名前の多くは、
農家の人や漁師がつけたというが、
詩人、辻往夫は部屋を通り抜ける風に
自分だけの名前をつけた。

「風の名前」という詩の中で
辻は窓辺で風と対話する。

(お部屋の中を通っていい?)(いいよ?)

ご丁寧に許しをもらった風が部屋を通り抜ける時、
辻は手をさしのべて風の肉体にふれ、名前をつける。

 微風のマリー
 隙間風のジューン

春は人が風に恋する季節。
明日出会う風に、あなたはどんな名前をつけますか。

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小野麻利江 17年3月26日放送

170326-04

風の話 「明日は明日の風が吹く」

 明日は明日の風が吹く。

映画「風とともに去りぬ」を
締めくくる日本語訳として、
あまりにも有名なこのフレーズは、

幕末の歌舞伎狂言作家・
河竹黙阿弥の作品の中の言い回しが
ルーツだと言う説がある。

スカーレット・オハラの前向きさが
江戸っ子の気風の良さとつながるとは、
今になってみると、
実に不思議な、風の吹き回しだ。

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茂木彩海 17年3月26日放送

170326-05

風の話 「多分、風。」

冬が終わり、耳元をあたたかい春風がかすめると、
なんだか懐かしいような、甘ったるい気分になる。

サカナクションの楽曲、「多分、風。」。

 畦 走らせたあの子は 多分 風
 焦らせたあの仕草は 多分 風

自転車であっさりすれ違った「あの子」と「自分」。
その瞬間に起きた「風」を
実はお互いを気にしている「空気」として描いている。

 風走らせたあの子にやや熱い視線
 焦らせたこの季節に 連れて行かれたら

風が起こるのは、そこに何かのエネルギーがあるから。
それが恋だとしても、おかしくないのかもしれない。

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茂木彩海 17年3月26日放送

170326-06

風の話 風の妖怪かまいたち

日本では昔から、摩訶不思議な出来事が起きた時、
その出来事に名前をつけ、妖怪の仕業だと考えていた。

たとえば、外へ出て冷たい風に触れると
知らない間に太ももや手の甲などにあかぎれができる。
これは、かまいたちという妖怪の仕業。

冷たい風もようやく春風に変わる3月。
かまいたち達も、
気持ち良い風を受けながらまどろんでいるころだろうか。

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熊埜御堂由香 17年3月26日放送

170326-07

風のはなし チャーチルの名言

イギリスの政治家、ウィンストン・チャーチルが
風にまつわるこんな言葉を残している。

 Kites rise highest against the wind – not with it.
 凧が一番高く上がるのは、
 風に向かっている時である。
 風に流されている時ではない。

新しい仕事が始まる春。
この言葉を思い出せば、
きっといつでも前を向ける。

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