‘佐藤日登美’ タグのついている投稿

佐藤日登美 20年2月9日放送


肉  魯山人のすき焼き

芸術家であり、美食家としても有名な北大路魯山人。
彼はすき焼きに並々ならぬこだわりを持っていた。

鉄鍋に牛脂をひき、霜降りの牛肉を入れたら
酒と醤油、ごくごく少量のみりんで味をつける。
いただくときは大根おろしを乗せて。
肉を食べ終えたら鍋に出汁を足し、野菜をほどよく煮る。
その繰り返し。

ねぎは一皮剥く、ほうれん草を用意する、など細かい作法が続くので
彼がすき焼きを食べるときには極意を心得た人が必要だった。


topへ

佐藤日登美 20年2月9日放送


肉  池波正太郎のすき焼き

美食家としても知られる小説家、池波正太郎。
彼は肉の質によってすき焼きの調理法を変えていた。

うんといい牛肉が手に入ったら、
かつおぶし・醤油・みりんで作った割下を鍋に少し入れ、その中で肉にさっと火を通す。
まずは肉を楽しみ、よきときにぶつ切りのねぎを並べる。

牛肉とねぎだけ。
いい肉を味わうときはシンプルに。
そうでないときは砂糖を入れて甘辛く煮る。
「これはこれでいいもんだ」と池波は言う。


topへ

佐藤日登美 20年1月12日放送

首相官邸
和服  即位礼正殿の儀の装束

令和元年、10月22日。
即位礼正殿の儀が執り行われた。

天皇陛下が国内外に即位を宣明する儀式。
そのお言葉とともに、装束姿も注目された。

平安時代を思わせる黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)と呼ばれる装束を身にまとった天皇陛下に続くのは、十二単姿の皇后さま。
一番上の御唐衣(おんからぎぬ)は白と萌葱色、その下に薄紫色と赤のグラーデーションが美しい。

時代の変わり目にしか見ることができない、雅なお姿だ。


topへ

佐藤日登美 20年1月12日放送


和服  国民祭典の着物

令和元年、11月9日。
「天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典」の場で祝辞を述べた、女優・芦田愛菜さん。
彼女が着た着物は、老舗呉服店・鈴乃屋が用意した。

生成色に菊の花の刺繍が施され、豪華ながら上品な佇まい。
着物に描かれた「紗綾形(さやがた)」と呼ばれる文様は「卍」の文字を斜めに崩し、
連続的につなげたもので「家の繁栄」「永遠」「長寿」を意味する。

100年ほど前から、誰も袖を通したことがないという貴重な着物。
新しい時代の幕開けに彩りを添えた。


topへ

佐藤日登美 19年12月8日放送

kyu3
こわい お化け屋敷プロデューサー

遊園地の中では地味な存在だったお化け屋敷を、
大人気アトラクションに変えた男がいる。
お化け屋敷プロデューサー、五味弘文。

彼のお化け屋敷の中では、お客さんも演出の一部だ。
例えば、リアルな赤ちゃんの人形を渡され、出口まで届ける。
呪いの歯を素手で抜く。
靴を脱いで暗闇の中を歩く。

そこには物語があり、それを知った上で進むことで恐怖が倍増する。
五味はお化け屋敷に「ストーリー性」という概念を組み込むことで、
新たなエンターテイメントを生み出した。



topへ

佐藤日登美 19年12月8日放送


こわい お化け屋敷プロデューサー

「人をいかに怖がらせるか」
そのことばかりを考えている男がいる。
お化け屋敷プロデューサー、五味弘文。

企画したお化け屋敷がオープンすると、
彼は裏でじっとお客さんの反応を見る。
期待通り驚いてくれると喜び、怖がってくれないとへこむ。

なぜ怖がってくれなかったのか。
どんなタイミングで人は不安になるのか。
考え続けることで「恐怖」の本質が見えてくる。

そこで見出したものを、またお化け屋敷に取り入れていく。
怖いと叫ぶお客さんたちを見る彼の顔は、いたずらっ子のようだ。



topへ

佐藤日登美 19年11月10日放送

Simonetta Di Zanutto
美食  サンセバスチャンに行ったならば①

スペイン、サンセバスチャン。
人口わずか18万人の都市は、世界一の美食の街と呼ばれる。
所狭しとバルが並び、人々は次から次へと店をはしごする。

バルに足を踏み入れたら、まずはピンチョスとチャコリをオーダーしよう。
ピンチョスは、パンの上に食材が乗った小さなオープンサンド。
海老やアンチョビなど、店によって個性が出る。
それに合わせるのが、チャコリという微発泡の白ワイン。
瓶を頭近くまで持ち上げ、コップに注ぎ落とすようにして入れる。
その様子を見るだけで、心が浮き足立つ。

ピンチョスをつまみ、チャコリを流し込んで次の店に向かう。
美食の街には美味なるものが多く、一日は短い。



topへ

佐藤日登美 19年11月10日放送

WordRidden
美食  サンセバスチャンに行ったならば②

スペイン、サンセバスチャン。
バルセロナからもマドリードからも少し離れたこの場所は、
美食の街として名高い。

数ある店の中でも有名なのが、Bar Nestor。
メニューは4品ほどしかないが、すべてたまらなくおいしい。

予約しないと食べられないとろとろ卵のトルティーヤ。
塩とオリーブオイルをかけただけのぶつ切りトマトのサラダ。
どんどん口に運んでしまう、素揚げしたししとう。
そして岩塩をまぶした、肉の赤が美しいステーキ。

シンプルだけど力強い料理たちが、
美食の街の実力を見せつけてくる。



topへ

佐藤日登美 19年10月13日放送

© Citron
深海  ラブカ

深海に住む古代ザメ、ラブカ。
一瞬可愛らしい生き物を想像しそうだが、
なかなかにインパクトのある姿をしている。
うなぎのような長い胴体に、ひらひらと揺れる赤い6対のエラ。
大きな頭のほとんどを口が占め、歯は300本も持つ。

実は映画『シン・ゴジラ』に現れる
ゴジラの第二形態のモデルになっているのだとか。
深海をひっそりと泳ぐラブカも、
まさか映画のスクリーンに登場するとは思わなかっただろう。



topへ

佐藤日登美 19年9月8日放送


ダンス タップダンス

18世紀、アメリカ南部。
人種差別がまだ色濃かった時代、
多くの黒人たちが奴隷としてアフリカから連れてこられた。
彼らのささやかな楽しみは、ドラムに合わせて踊ること。
ところが暴動を恐れた白人たちは、
黒人が集まる場所でのドラム禁止令を出してしまう。

それでも、彼らは踊ることを諦めなかった。
黒人たちはみんなで足を踏みならし、拍子を刻み始めた。

これが、タップダンスの起源と言われている。


topへ


login