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奥村広乃 20年8月16日放送


Achim Kleist
宇宙葬

今日は、送り盆。

誰かが亡くなることを
遠回しに表現して
「星になった」
ということがある。

星になる。

これはもう例えではなく、
実現できる散骨方法の一つ。

亡くなった方の遺灰を
カプセルに入れ、
ロケットや人工衛星で
宇宙空間に打ち上げるのだ。

宇宙葬と呼ばれ、
日本でもいくつかの会社に
頼むことができる。

大切なあの人は、
今は憧れの宇宙旅行中。
そんなストーリーが
誰かの心をなぐさめるかもしれない。

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奥村広乃 20年8月16日放送



永遠の絆

今日は、送り盆。

ダイヤモンド。
その宝石言葉は「永遠の絆」。

シンプルなのにキラキラと美しく、
その輝きに魅了された人も数知れず。
愛を誓うエンゲージリングに
この宝石を選ぶ人も多い。

遺骨をダイヤモンドにする
サービスがあるという。
身体に含まれる炭素から
ダイヤモンドの結晶を生み出すのだ。

死が二人を分つとしても。
思い出の日々は
永遠にきらめきつづける。

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奥村広乃 20年6月21日放送



コロリ

人類は遥か昔から
疫病と向き合ってきた。

1858年。
日米修好通商条約が結ばれた頃、コレラが大流行した。
江戸の死者数は約10万人とも、
30万人に上ったとも記録されている。

かかると3日でコロリと亡くなることから、
人々はコレラをコロリと呼んで恐れた。
錦絵には、虎、狼、狸の混ざった、
奇怪な姿をした妖怪としてコロリは描かれた。

目に見えない病。
イメージしやすい名前や絵をつけることで
正体のわからない怖さを皆で共有し、
乗り越えようとしたのだろう。

顕微鏡を覗けば菌やウイルスが見える現代。
あえて、病を妖怪として描いてみたら
どんな姿をしているのだろうか。

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奥村広乃 20年6月21日放送



鍾馗

人類は遥か昔から
疫病と向き合ってきた。

無病息災を祈る神楽がある。
鍾馗(しょうき)という神が、
疫病をもたらす鬼を退治するストーリーだ。

長い髭、勇猛さを物語る凛々しい眉毛、
そして力強い大きな瞳。
右手に剣、
左手には「茅の輪」(ちのわ)という
ふさのついた大きな輪を持ち、
問答を繰り返しながら
疫病神と激しい戦いを繰り広げる。

テンポの速い太鼓囃子や、
金の糸をふんだんに使った
豪華絢爛な衣装も見どころのひとつだ。

神楽の歴史は古く、
日本神話の時代まで遡るという。
それが今はオンラインでもみられるようになった。
無病息災、健康への願いは
時代や場所を超えるのだ。

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奥村広乃 20年4月19日放送


Theo Crazzolara
毒素と睡眠

今日はダーウィンの命日。
進化について考えたくなる日。

生き残るために、他の動物が食べないものを食べる。
そんな進化もある。

例えば、オーストラリアの人気者。コアラ。
主食は「ユーカリ」の葉っぱ。
脂分や繊維が多く、毒素も含まれている。
コアラは、盲腸でユーカリを発酵させ
毒素を分解できるよう進化した。

ところがこのユーカリ、栄養がとても少ない。
そのため、体力をあまり使わないように
1日20時間も寝て過ごすという。

たっぷり眠れて羨ましい
そんな現代人もいるかもしれない。

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奥村広乃 20年4月19日放送


SidPix
キリンの首

今日はダーウィンの命日。
進化について考えたくなる日。

首の長い動物といえば。
そう。
キリンだ。
その身長は5メートルを越すこともある。

なぜ首が長いのか。
高い所にある葉っぱを食べ、
遠くにいる天敵をいち早く見つけるため。
生き残るために進化したのだ。

キリンの祖先は、今でいう馬や鹿、牛に似ている動物。
しかし不思議なことに、
中間の首の長さのキリンは見つかっていないという。

ある日突然、進化は起きる。
まだ人類が見たこともない生き物が、
明日どこかで生まれるかもしれない。

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奥村広乃 20年2月15日放送


tamaki
発酵か腐敗か

もう半分しかないと考えるか。
まだ半分あると考えるか。
同じものを見ても、全ては捉え方次第。

発酵と腐敗。
この2つの現象はとてもよく似ている。
どちらもカビや菌の力で、
食品の匂いや見た目が変化する。

納豆は微妙なラインの発酵食品だ。
海外では腐っていると食べるのを拒む人もいる。

納豆が発酵食品として受け入れられている日本。
ポジティブな人が多かったのか。
もったいない精神が旺盛だったのか。
全ては捉え方次第なのだ。

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松岡康 20年2月15日放送


HAMACHI!
良い菌? 悪い菌?

日本の家庭に根付いた発酵食品といえば糠漬けだろう。
糠床の中にいる乳酸菌を中心とした微生物の働きによって、
美味しい糠漬けが出来上がる。

だがこの糠漬け、
そもそも何の菌で発酵しているのかよくわかっていない。

乳酸菌と並んでぬか漬け独特の風味をつくっている微生物として、
カンジダ種の酵母の働きが報告されている。

このカンジダ種の酵母は、時に感染症の原因になる。
しかし一方で、おいしい糠漬けが食べられるのは、
彼らの働きが欠かせないのだ。

菌の世界には、いいヤツ、悪いヤツなんていない。
どの菌にも役割があって、意外なところで意外な働きをしたりする。

私たち人間が糠床から学ぶことは多そうだ。

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奥村広乃 20年2月15日放送



発酵パンと出会い

とある暑い日。
古代エジプトで運命の出会いがあった。
小麦粉と酵母の出会いだ。

酵母たちは、水で練られた小麦粉を食べ、
炭酸ガスとアルコールを発生させた。
膨らむ小麦粉たち。
それを焼いた人間はびっくり。
今まで食べたことのない、
ふわふわのパンが出来上がったのだから。

さあ今日も。
バターを塗って、ジャムをつけて。
美味しい運命の出会いを召し上がれ。

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奥村広乃 19年12月15日放送


www.twin-loc.fr
タジン鍋

冬といえば、あたたかい鍋。

とんがり帽子のような蓋が特徴の鍋が
日本でも売られるようになった。
「タジン鍋」だ。
モロッコがその発祥という。

玉ねぎのように尖った鍋の蓋の形には意味がある。
食材から上がる水蒸気が、
蓋の先で冷やされて水となって鍋に戻るのだ。

これにより食材の持つ水分で蒸し煮をすることができ、
さらには、料理の香りが飛ばず風味豊かに仕上げることができる。
水溶性ビタミンも損なわれにくい。

最小限の水のみを使い、
野菜やお肉自体に含まれている「水」や「脂」を活用するタジン鍋。
飲料水が貴重なモロッコらしい鍋なのだ。

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