三島邦彦 10年11月14日放送



人と石/隈研吾


栃木県那須芦野に、「石の美術館」という名の小さな美術館がある。
設計を手掛けたのは、世界的建築家、隈研吾。
予算はほとんどないが、芦野の名産である石と、
石を扱う職人はふんだんに使える。
その条件の中で、彼はコンクリートやガラスに頼らない
石造りの名建築を生みだした。
彼は言う。


 制約は母である。制約からすべてが生まれる。
 そして自然とは、制約の別名である。






人と石/畠山直哉


「石灰石」と聞いて何を思い浮かべますか。
きっと、具体的なイメージを持つ人は少ないはず。

けれど石灰石は、
セメント、鉄、ガラス、紙、プラスチック、それに、薬品や食品、
さまざまなものに姿を変え、私たちの身の回りにあふれている。

そんな石灰石の採掘現場を
日本中で写真におさめた写真家、畠山直哉。
彼は語る。


 遥か地平線まで続くコンクリートのビルや道路が、
 すべてあの山々から掘り出した石灰石を原料としているなら、
 このビルや道路をすべて擦りつぶし、
 その膨大な量の炭酸カルシウムを慎重に元の場所に返してやれば、
 最後のスプーン一杯で、以前の山の稜線は、ぴったりと復元されることになるだろう。
 鉱山と都市はまるで写真のネガとポジのようなものだ。


今、あなたがいるその街も、
遠いどこかの石灰石鉱山の映し鏡。
そう考えると、風景が少し違って見えてきませんか。





人と石/アルバート・アインシュタイン


世紀の天才物理学者、アルベルト・アインシュタイン。

このアインシュタインという名前は、
ドイツ語で「一つの石」という意味だという。

そんな彼が残した言葉は。


 私は何カ月でも何年でもひたすら考える。
 九十九回目までは答えは間違っている。
 そして百回目でようやく、正しい結論にたどりつく。


この実直さ。
いかにも、名前どおり。


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