佐藤延夫 13年4月6日放送


カノープス
前衛芸術家、草間彌生1

スミレの花が、人間の顔になり話しかける。
犬が人の言葉で吠えてくる。
そうかと思えば、自分の声が犬の声になっている。
目に見えるもの全てが水玉になり、
あらゆる場所を覆い尽くす。

前衛芸術家、草間彌生は、幼いときから幻覚をみていた。

10歳で描いた母の肖像画は、
水玉で埋め尽くされていたそうだ。

「芸術を作りつづけることだけが、
 私をその病から回復させる手段だった」

そう語る彼女の芸術は、
頭に巡る幻覚をキャンバスにうつすことから始まった。

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