2013 年 6 月 8 日 のアーカイブ

蛭田瑞穂 13年6月8日放送


フランク・ロイド・ライト①

サイモン&ガーファンクルの作品に
“So Long, Frank Lloyd Wright”
「フランク・ロイド・ライトに捧げる歌」という曲がある。
ライトの死から10年後の1969年にリリースされた。

ふたりは歌う。

 多くの建築家があらわれては消えていったけど
 あなたは自分の信念を貫いた
 僕は曲づくりに行き詰まったとき
 立ち止まってあなたのことを思い出してみるんだ


ポップ・ミュージックにも歌われた建築家のアイコン、
フランク・ロイド・ライト。
ライトは今から146年前の今日、6月8日に生まれた。


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蛭田瑞穂 13年6月8日放送


フランク・ロイド・ライト②

20代でデビューし、天才建築家として
脚光を浴びながらも、
私生活での度重なるスキャンダルにより
名声が地に落ちた晩年のフランク・ロイド・ライト。

ところが1937年、70歳のライトは
建築界を驚かす作品を発表する。
エドガー・カウフマン邸、
通称「落水荘」と呼ばれる住宅である。

渓流と建物が一体となり、
周囲の環境と見事に調和する「落水荘」は
ライトが提唱する“有機的な建築”を具現化していた。

20世紀最高の住宅とも讃えられるこの作品によって
フランク・ロイド・ライトは70歳にして
建築界のチャンピオンに返り咲いた。


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蛭田瑞穂 13年6月8日放送

©Jeff Dean
フランク・ロイド・ライト③

1936年、フランク・ロイド・ライトが69歳で設計した
ジョンソン・ワックス本社ビル。

最大の特徴が「グレート・ワークルーム」
と呼ばれるオフィス空間。
床から伸びた柱が天井で蓮の葉のように開き、
建物を支えている。
この柱が林立する様はオフィスというより、
宗教建築のような雰囲気さえ漂わせる。

ライトは語る。

 働く人々の人生をより意義深くする
 建物をつくることで、
 社会の様相を変えることも可能なのです。



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蛭田瑞穂 13年6月8日放送

Figuura
フランク・ロイド・ライト④

建築家フランク・ロイド・ライトの代表作、
ニューヨーク・グッゲンハイム美術館。
この美術館はライトが76歳で設計した。

最大の特徴は「かたつむりの殻」
と形容される螺旋状の構造。
見学者はまずエレベーターで最上階に上がり、
そこから螺旋状の通路に展示された作品を
鑑賞しながら階下へ降りていく。

現在ではニューヨークの観光名所にもなっている
グッゲンハイム美術館だが、
ライト自身は完成された建物を見ていない。

斬新すぎる設計ゆえに、
建設前から論争を巻き起こし、
着工されたのは設計から16年後の1959年。
ライトの死から半年後のことだった。


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蛭田瑞穂 13年6月8日放送

James Steakley
フランク・ロイド・ライト⑤

1937年、70歳のフランク・ロイド・ライトは
「ユーソニアン住宅」というコンセプトを提唱した。

ユーソニアン住宅とは、
安価で良質な住宅を大量に建造するために、
プレファブ工法などを取り入れた工業住宅。

ユーソニアン住宅の第一号がウィスコンシン州に
現存するジェイコブズ邸。
その建物には、住宅の工業化と建造物としての美、
ふたつの相反する要素が見事に同居している。


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蛭田瑞穂 13年6月8日放送

randylane
フランク・ロイド・ライト⑥

1956年、89歳のフランク・ロイド・ライトは
ハロルド・プライスという実業家に依頼され、
地上19階、高さ57メートルのオフィスビルを設計した。

「プライス・タワー」と呼ばれるこのビルは
ライトが人生で初めて設計した高層ビル。

89歳でなお人生初に挑戦するフランク・ロイド・ライト。
その姿勢に敬服せずにはいられない。


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蛭田瑞穂 13年6月8日放送

tfitch
フランク・ロイド・ライト⑦

1957年、フランク・ロイド・ライトが90歳で設計した
カリフォルニア州マリン郡の合同庁舎。

円形のドームを中心に、
2つのウイングが南北に伸びる建物は
上空から見ると巨大なブーメランのようにも見える。

この不思議な形は、起伏のある土地を地ならしせず、
自然のままの地形を活かすことで生まれた。

生涯に渡って、建築と自然との調和を唱えた
フランク・ロイド・ライト。
彼の遺作になったマリン郡庁舎にも、
その精神はたしかに体現されている。


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