佐藤延夫 14年6月1日放送

140601-05
Charlie Carver
ある偉大な発見 ケブラー

1960年代。
アメリカの化学者、ステファニー・クウォレックは
ノーメックス繊維の開発に従事していた。
この繊維は、当時、消防士の防護服や
電気の絶縁体にも使われており、
構成する分子さえ同じであれば
さらに強度を持つ繊維が作れるのではないかと彼女は考えていた。

合成繊維とは、分子レベルで結合させて
一度液体にしなければ先に進めない。
試しに溶媒と混ぜて液化してみると、
見たこともないような白く濁った液体になった。
それを繊維に変え、物理的性質を測定した結果、
彼女がつくった一番硬度の高い繊維よりも9倍の硬さを持っていた。
そして強度は、同じ重さの鋼鉄の5倍。
彼女は、偶然のチャンスをものにした。

「ケブラー」という名前で知られるこの繊維は、
宇宙服、飛行機のブレーキパッド、防弾チョッキにも応用された。
ちなみにケブラーは、紫外線や水に弱い。
そのため防弾チョッキは、光や水から繊維を守る作りになっている。

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