東美歩 15年10月10日放送
森和夫 共有の精神
マティス、ヴランマンク、片岡球子(かたおかたまこ)。
東洋水産の受付フロアを訪れると、
名だたる画家の傑作を目にすることができる。
誰でも出入りできる場所に
芸術作品を置くのは、
創業者 森和夫の意向によるものだ。
「毎日のように本物の名画を目にしていると
自然と美意識が養われる。
美術に対する感性を磨いてもらいたいから
多くの人が目にできる場所に飾るのだよ。」
いいものを一人占めすることを極端に嫌い、
世の中に還元しようとする男だった。
新製品ができた時も、
あえて他のメーカーが真似できるように
特許をとらなかった。
日本のインスタント食品のレベルが、
世界でも際立って高いのは、
きっとこの男が理由の一つだ。