藤本宗将 15年12月12日放送

151212-05

ケーキの話 サヴァラン

「新しい星を発見するよりも、
 新しい料理を発見するほうが人間を幸せにするものだ」

ブリア=サヴァランは、
著作『美味礼讃』でこんな言葉を残した。

フランス革命前後の激動の時代を
法律家・政治家として生きながら、
一方で食に対する興味を探求し続けた彼。
食べることの楽しみについて語る
蘊蓄たっぷりの表現は、いまも人々を魅了する。

そんな稀代の美食家としての彼に
敬意を表して名付けられたケーキが、
「サヴァラン」。

バターと卵をたっぷりと使ったブリオッシュを切って
ラム酒やシロップを染みこませ、
生クリームやフルーツで飾り付けた
おなじみのあのケーキだ。

もしもサヴァラン自身が
このケーキの味を試したら、いったいどんな言葉で
その幸福を表現するだろう。

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