2017 年 10 月 21 日 のアーカイブ

佐藤理人 17年10月21日放送

171021-01
Pedro Netto
カラー・オブ・ジャズ 「ブルー」

マイルス・デイビスの最高傑作のひとつ、

 「カインド・オブ・ブルー」

彼はこのアルバムのピアニストに、
バンドメンバーのウィントン・ケリーではなく、
ビル・エヴァンスを起用した。

がっかりしたケリーは、
トランペッターのブルー・ミッチェルと組んで、

 「ブルース・ムーズ」

というアルバムを作った。

最先端をいくマイルスの、
クールなサウンドとは真逆の熱いハードバップ。
それは憂鬱の青ではなく、カラッと晴れた空のブルー。

このアルバムはミッチェルの最高傑作となった。

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佐藤理人 17年10月21日放送

171021-02
Brianmcmillen
カラー・オブ・ジャズ 「レッド」

ジャズは難しそうでちょっと苦手。

もしもあなたがそう思うなら、
レッド・ガーランドのピアノを聴いてほしい。

ビートにのった左手のブロックコードと、
メロディーを奏でる右手のシングルトーン。
シンプルな技でコクのあるジャズを聴かせてくれる。

そのわかりやすさは時に

 カクテルピアノ

と揶揄されたが、ガーランドは決して
自分のスタイルを変えようとはしなかった。

シンプルということは、裏を返せば、
演奏のアラが目立つということ。

だが、彼のアルバムに駄作は一枚もない。

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佐藤理人 17年10月21日放送

171021-03
andjustinforall
カラー・オブ・ジャズ 「ブラック」

アルバム「ブラックレディオ」でグラミー賞の
最優秀R&Bアルバムに輝いたジャズ・ピアニスト、
ロバート・グラスパー。

ジャズ、R&B、ヒップホップ。ジャンルの垣根を
彼ほど巧みに飛び越えるミュージシャンはあまりいない。

情報のスピードが加速する今、人々の集中力はすごく短い。
音楽も時代の変化に適応すべきだ、と彼は言う。

 ジャズは過去の歴史に囚われすぎて、
 お互いをコピーしあってばかりいる。
 僕はそれを変えたいんだ。

グラスパーが好きな音楽、
それはみんなが聞きたい音楽だそうだ。

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佐藤理人 17年10月21日放送

171021-04
Brian McMillen
カラー・オブ・ジャズ 「イエロー」

西洋音楽の楽器と理論。アフリカ音楽のリズムとスタイル。
それらがひとつになって生まれた、ジャズ。

日本人にもっとも縁遠いこの音楽で、
世界中から尊敬される日本人がいる。

 秋吉敏子

1956年、日本人で初めてバークレー音楽院に入学。

1973年には夫のルー・タバキンとビッグバンドを結成。
ジャズと日本古来の和楽を融合した

 「ロング・イエロー・ロード」

で大ヒットをとばす。

以後、彼女は14回ものグラミー賞ノミネートや
日本人初の国際ジャズ殿堂入りなど華々しい活躍を続ける。

しかし2003年、30年間続けたバンドを突如解散する。
その理由は、

 一人でもっとピアノを練習したいから

だった。

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佐藤理人 17年10月21日放送

171021-05

カラー・オブ・ジャズ 「グリーン」

同じフレーズの繰り返しは気持ちがいい。

その事実に初めて気づいたジャズ・ギタリスト、
グラント・グリーン。

複雑なテクニックやフレーズに走る
他のミュージシャンとは異なり、
彼は心地よい単音のフレーズを延々と繰り返した。

 反復の快感

それは後のソウルやファンク、ヒップホップなど、
クラブミュージックに通じる偉大な発見であった。

物事に対して常にオープンで柔軟だったグリーン。
彼は自分をジャズ・ギタリストだと思っておらず、
いつもR&Bばかり聴いていたという。

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