2017 年 11 月 12 日 のアーカイブ

蛭田瑞穂 17年11月12日放送

171112-01
ノーベル賞 ボブ・ディラン

ボブ・ディランが1965年に発表した「ライク・ア・ローリング・ストーン」は
2004年にローリングストーン誌が発表した
オールタイム・グレイテスト・ソング500の第1位に選ばれている。

フォークのトーキングスタイルとビートを融合させることで、
多様な言語表現を可能にした、ロック史上屈指の名曲。

「ライク・ア・ローリング・ストーン」発表から半世紀後の2016年、
ボブ・ディランはノーベル文学賞に選ばれる。
その選出理由は「アメリカ歌謡の伝統の中に、新しい詩の表現を創造した」
というものだった。


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蛭田瑞穂 17年11月12日放送

171112-02
ノーベル賞 カズオ・イシグロ

今年、日系人の作家として初めてノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロ。
ノーベル財団は選出の理由を次のように発表した。

 カズオ・イシグロ氏の力強い感情の小説は、
 私たちが世界とつながっているという幻想に隠されている闇を明らかにした。


ノーベル賞の発表を受けて、
カズオ・イシグロはインタビューにこう答えている。

 日本語を話す日本人の両親のもとで育ったので、
 両親の目を通して世界を見つめていました。
 私の一部は日本人なのです。
 私がこれまで書いてきたテーマがささやかでも、
 この不確かな時代に役立てればと思います。



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蛭田瑞穂 17年11月12日放送

171112-03
ノーベル賞 スベトラーナ・アレクシエービッチ

ベラルーシ出身のジャーナリスト、スベトラーナ・アレクシエービッチ。

旧ソ連の女性兵士の証言を集めた初の著書『戦争は女の顔をしていない』以来、
証言者に実際に会い、その声を聞くのが彼女の基本的なスタイル。

スベトラーナは語る。

 私は恐怖体験ではなく人間の魂や理想主義を集めているのです。
 重要なのは想像力を失わないこと。
 恐ろしい全体主義も人間に勝利することはできなかったのだから。


2015年、彼女はノーベル文学賞を受賞する。
選考理由は「現代の苦しみと勇気を如実に表す、
多様な声を集めた記念碑的作品」を書いたことだった。


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森由里佳 17年11月12日放送

171112-04
ノーベル賞 アインシュタインの背中

ブラックホールとブラックホールがぶつかる。

それだけでも、ずいぶんとわけのわからない状況なのは間違いないが、
どうやら、そうして生まれる時空のゆがみを示す波動があるらしい。

重力波。

かのアインシュタインがその存在を予言したもので、
その存在を証明することは、物理学者や天文学者の夢だという。


さて、今年のノーベル物理学賞は、
そんな夢をつかんだ3名に贈られる。

その一人、レイナー教授はこう言った。

「アインシュタインが生きていたら、きっと喜んでくれただろう」

アルベルト・アインシュタイン。
その存在は、まるで宇宙のように遠く、大きい。

科学者たちが目指すのは、
果たして宇宙か、アインシュタインか。


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森由里佳 17年11月12日放送

171112-05 Christopher Berry
ノーベル賞 授賞を支えた日本人

今年のノーベル物理学賞は、
宇宙からの「重力波」の存在を証明した3人に決まった。

その証明は、アインシュタインからの最後の宿題ともいわれた難題。
この素晴らしい功績に、大きく貢献した日本人がいる。

東大、宇宙線研究所の川村静児さん。
約30年も前からこのプロジェクトに参加し、
授賞者であるレイナー氏も、
彼なしではこの発見はありえなかったと絶賛する研究者だ。

「宇宙がどうやって始まったか知りたいというのが、一番のモチベーション」

そう語る川村さんは、
日本の重力波観測装置KAGRAを率いるリーダーでもある。

大いなる始まりを解き明かす一歩一歩は、
ここ日本でも、確実に踏み出されているのだ。


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佐藤日登美 17年11月12日放送

171112-06
ノーベル賞 マリ・キュリー

放射能の研究やラジウムの発見で、
ノーベル賞を二度も受賞したマリ・キュリー。
彼女は夫・ピエールと二人三脚で研究を進め、この功績を得た。

彼らがラジウムの抽出に成功した場所は設備の整った研究室ではなく、
ほったらかしにされていたあばら屋。
「厩(うまや)とじゃがいも倉庫をかけ合わせたような小屋」と評されたそこは、
夏はうだるように暑く、冬は凍えるほど寒かった。

でも、キュリーはこう語る。

 人生で一番幸せなときを過ごしたのは、あのあばら屋です。
 すばらしい夫と一緒に、仕事だけに熱中することができたから。



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佐藤日登美 17年11月12日放送

171112-07
ノーベル賞 ゲルティー・コリ

アメリカ女性初のノーベル賞受賞者、ゲルティー・コリ。
彼女は1947年、筋肉のエネルギー代謝におけるグリコーゲン消費の発見により、
夫とともにノーベル生理学・医学賞を受賞した。

ゲルティーは聡明で快活で、完璧主義だった。

ある日、ドイツの雑誌に重要な発見を記す記事が出たと聞き、
大学院生を図書館まで走らせた。
コピー機のなかった時代。
その大学院生は気を利かせ、記事を英訳して書き写し、持ち帰った。
ところがゲルティーは、「細かいニュアンスが知りたいから」と
ドイツ語のまま書き写すようにと依頼。
大学院生は再び図書館へと向かうことになってしまった。

厳しくも感じられるゲルティーだが、
その情熱がノーベル賞受賞へと導いたに違いない。


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佐藤日登美 17年11月12日放送

171112-08 je5xkd
ノーベル賞 イグノーベル賞

華やかなノーベル賞の裏で行われる、イグノーベル賞をご存知だろうか。
ノーベル賞のパロディーとして1991年に生まれたこの賞は、
「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に贈られる。

今年注目を浴びたのは、物理学賞を受賞した
「猫は固体か液体か?」という研究。
どんな形の容器にも体をおさめてしまう猫の特性を、
流動力学の視点から解明した。

この研究に取り組んだマーク・アントワン・ファルダンは、
イグノーベル賞受賞の知らせを聞いたときこう言った。

 ノーベル賞を辞退するのはかっこいいけれど、
 イグノーベル賞を辞退するのは間違いなくかっこ悪い。



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