2017 年 12 月 のアーカイブ

蛭田瑞穂 17年12月10日放送

171210-04
judy dean
2017年今年の顔 ユヴァル・ノア・ハラリ

今年、全世界での発刊部数が500万部を超えた、
世界的ベストセラー『サピエンス全史』。

250万年におよぶ人類の歴史を斬新な視点で読み解き、
資本主義の限界論や人類の未来を展望した、壮大な歴史書。

著者のユヴァル・ノア・ハラリは『サピエンス全史』を
書き上げた理由をこう語る。

 ほとんどの学校では今でも自国の歴史や文化、宗教を中心に教えています。
 しかし、21世紀の人類の大きな問題のすべては本質的にグローバルなもの。
 国単位だけで考え続けたら問題は解決できないでしょう。
 歴史家としての私の務めは、これらの世界的な問題の答えを出すべく
 努力することです。

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蛭田瑞穂 17年12月10日放送

171210-05
Luu
2017年今年の顔 エフゲニア・メドベージェワ

ロシアの女子フィギュアスケーター、エフゲニア・メドベージェワ。
世界選手権の2連覇を始め、
2016-17年のシーズンに出場した全ての試合で優勝。
世界国別対抗戦ではショート・プログラム、フリー・スケーティング、
総合のすべてで世界記録を塗り替えた。

そんな彼女もひとたびリンクを離れれば、ふつうの18歳の女の子。
オフの時間は何をしていますか?という質問に彼女はこう答える。

 ソファに寝転んで天井を見上げることが最高の楽しみです。
 私は大人数でワイワイする集まりや大きなパーティーなどは
 好きではないんです。
 どちらかというと、家でひとりブランケットにくるまって
 映画を見るのが好きです。

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森由里佳 17年12月10日放送

171210-06
Nivrae
2017年今年の顔 ライアン・ゴズリング

今年の顔。
そういわれて思い浮かぶのはきっと、
銀幕を飾ったアクターではないだろうか。

そのうちの一人が、こんなことを言っている。

 『ラ・ラ・ランド』は野心的だ。
 デミアン監督は難しい条件の撮影をしたがるから、
 俳優もスタッフも何とかしようと頑張るんだ。
 僕もそういうシーンを撮り終えた時は、もの凄く誇りを感じたよ。
 居心地の良い場所から飛び出して、
 力以上のものを発揮したと思えた瞬間だったね。

ご存知、ライアン・ゴズリング。
「LA LA LAND」と「ブレードランナー2049

2つの大ヒット作品の顔ともいえる男だ。
その出演作品には、
才気ある監督や今後注目が集まるであろう監督のものが多い。
なるほど。彼自身も、なかなか野心的と見える。

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森由里佳 17年12月10日放送

171210-07
BagoGames
2017年今年の顔 エマ・ストーン

大きな瞳、白い肌。
透き通った歌声に、チャーミングな笑顔。
イエローのワンピースに身を包み、
夕焼けの公園でライアン・ゴズリングとダンスする。

女優エマ・ストーンは、
今年の顔といってもいいだろう。
映画ラ・ラ・ランドで主演女優賞を授賞したとき、
彼女はこんなスピーチをした。

 この映画は夢を追う人たちへの映画です。
 希望と創造性が世界で最も重要な2つのことであり、
 この映画はまさにそれを描いている。
 門前払いにあったことのある、すべてのものづくりをする人たちや、
 諦めそうになっても、なんとか立ち直る力を見つけているすべての人たちへ。
 私はこの賞をあなたと共有します。

銀幕を出てもなお、世界を虜にしたエマだった。

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森由里佳 17年12月10日放送

171210-08

2017年今年の顔 デミアン・チャゼル

映画「セッション」につづき、
「ラ・ラ・ランド」のヒットでその名を世に知らしめた奇才、
デミアン・チャゼル監督。

どちらの物語にもジャズを取り上げた彼は、
インタビューで、ジャズについてこう話している。

 ライアン・ゴズリング演じる『ラ・ラ・ランド』のセブにとっては、
 4~50年代の伝統的なジャズこそが“ジャズ”で、他は認めない。
 だけど、僕はそうは思わないんだ。
 ジャズは動いていくものだし、時代と折り合っていかなければならない。
 現代とどう向き合っていくかが重要なんだ。

「ラ・ラ・ランド」では、
過去と現在のバランスを取りたかったと語るデミアン。
彼にとっては、この作品こそが“ジャズ”なのかもしれない。

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厚焼玉子 17年12月9日放送

171209-01
まーさ
菊 長寿

1年365日、誕生日の花というのがあって、
12月9日、今日の誕生日の花のひとつが菊だった。

秋の花だと思っていたが、
確かに日だまりにはまだ菊が咲いている。
忘れられたころまで花を咲かせているので
長寿の象徴になったのだろうか。
江戸時代までは、菊の長寿にあやかろうと
その花びらを浮かべた酒を酌み交わす風習が
あったそうだ。

菊の咲きはじめは秋のはじまり。
冬が始まってもまだ名残の菊がある。
長く咲いてくれてありがとう。

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厚焼玉子 17年12月9日放送

171209-02
たけぽ
菊 小林一茶

1年365日の誕生日の花というのがある。
菊は今日の誕生日の花のひとつだ。

菊は陽当たりを好むが
野生の野菊も例外ではない。

たとえ山の中だとしても
頭上に木の枝などが密生していない
明るい場所で咲く。

小林一茶の句がその様子をとらえている。

 足元に 日の落ちかかる 野菊かな

野菊が人目につきやすいのは
お日さまのスポットライトを
いつも浴びているからだ。

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厚焼玉子 17年12月9日放送

171209-03
llee_wu
菊 正岡子規

1年365日の誕生日の花というのがある。
菊は今日の誕生日の花のひとつだ。

正岡子規は酒に弱かったが酒好きだった。
学生時代の適量は五勺、一合の半分。
あるとき一合飲んだら酔いつぶれ
翌日の試験の結果がさんざんだったという逸話もある。

そんな子規が菊を詠んだ句がある。

 酒買うて 酒屋の菊を もらひけり  

夭折した正岡子規に
長寿を象徴する菊の花は寂しい。

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厚焼玉子 17年12月9日放送

171209-04

菊 夏目漱石

1年365日の誕生日の花というのがある。
菊は今日の誕生日の花のひとつだ。

 ある程の 菊投げ入れよ 棺(かん)の中

夏目漱石がこんな句を捧げて早すぎる死を惜しんだ
歌人大塚楠緒子は
歌を詠み、小説を書き、語学にも堪能、
絵も描けばピアノも弾くという才色兼備の人だった。

漱石は入院中にその訃報をきき
「菊投げ入れよ」の歌を詠んだ。

そして1916年の今日、夏目漱石は亡くなっている。

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厚焼玉子 17年12月9日放送

171209-05
kaiyanwong223
菊 星野立子

1年365日の誕生日の花というのがある。
菊は今日の誕生日の花のひとつだ。

 菊日和 美しき日を 鏤めぬ(ちりばめぬ)

この句の作者星野立子(たつこ)は高浜虚子の次女で、
虚子は立子の句をこんな言葉で評価している。
  
「写生といふ道をたどつて来た私は
 さらに写生の道を立子の句から教はつたと感じる」

  菊日和 美しき日を 鏤めぬ

星野立子の句は菊の季節の晴れた空のように
のびやかで明るい。

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